いくら優秀なビジネスパーソンでも、カラダは一つ。時間も24時間と有限です。成果を出すには周囲のメンバーに権限移譲が必要ですが、これがなかなか難しい。今日は権限移譲について考えます。
そもそも人が足りない問題
権限移譲をしたいのはヤマヤマだが、そもそも人手が足りていないという職場は多いように思います。だからと言って、期の途中で人を補充されても引き継ぎや教育している方が逆に手間がかかってしまうということもあります。そこで不本意ながら、管理職自身が動かざる得ないケースも多いのではないでしょうか。
準備期間が必要
人手不足の時代において、メンバーに権限移譲をしようと思ったら、それなりの準備期間が必要です。仕事を分析して、タスクをさらに小さなサイズに細分化して切り出すことも必要です。小さなサイズにすればするほど、習熟もより簡単になります。もちろん並行してマニュアルの整備もしておく必要があります。これらはすぐに整備できるものではないので、仕事の閑散期に準備しておく必要があります。また、判断基準も明確にしてルール化しなくてはいけません。どこまではメンバーの裁量に任せるのか。どこからはエスカレーションすべき事柄かを明確にしておかなければなりません。
メンバーを信じ、責任は取る
そうやって準備しても、上手くいかないことは多々あるでしょうがメンバーを信じて任せきる事です。また、何かトラブルが発生したら自分が責任を取るスタンスを明確にしておくことも大事です。駄目な権限移譲は権限とセットで責任までメンバーに渡してしまうことです。責任まで取らされたら、メンバーはたまったものではありません。
観察も忘れない
権限移譲することは、放任することとは違います。任せた仕事の進捗は気にかけなければなりません。そのためには、会議や面談もデザインしておく事です。定期的に進捗が確認できる場を設定するだけでなく、メンバーのスキルアップに繋がるような、リフレクションの場も設けることも大切です。管理職が手取り足取り指導する余裕はないでしょうから、メンバー一人ひとりが仕事経験を通して成長できるような支援が求められます。
しなやかな職場
権限移譲はこのように事前準備も、スタートしてからの運用も手間がかかりますが、職場の生産性を上げるためには避けては通れません。なんでも出来てしまう管理職は、メンバーからすると頼もしく見えるかもしれません。しかし、メンバーと管理職の関係性も固定化される恐れもあります。それは、一見効率的にも見えますが、多様性の乏しい組織にもなりえます。変化の激しい時代には、職場のメンバー個々が持ち味を発揮できるような、しなやかな職場作りが求められます。