クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【マネジメント】対話した後は決める

f:id:kumabou2016:20230626232643j:image

最近、One on Oneという管理職とメンバーが対話する機会を設けている企業が増えています。私のブログでも、管理職はまずメンバーの話を聴いてくださいとお伝えしています。ただ誤解をして頂きたくないのは、メンバーと対話すれば全て物事は解決するという安易な話ではないということです。

対話は万能ではない

「話せばわかる」は515事件で犬飼首相が暗殺される前に放った一言です。対話は民主主義の根幹にかかわる事です。対話は自分の考えを持ち寄ることで、自分と相手のズレを明らかにしてくれます。しかし、相手とのズレに気づいただけでは何も変わりません。One on Oneの仕組みでメンバーと対話をして、メンバーが考えていることを多少理解することができても、何も変わらなければメンバーは逆に失望してしまいます。変化がなければ、一度開いた口もまた閉じてしまいます。だから、対話した後に意思決定をしてアクションを起こすことが非常に大事になります。

誰が決めるかを事前に決めておく

職場の意思決定がグダグダになる原因は色々ありますが、よく見られるのは誰が決めるのかを決めていないケースです。職場のメンバー全員で話し合い、全員で合意するのが理想ですが、ビジネスの現場でそのパターンで合意に至るのは難しいケースもあります。どんな仕事も納期があるわけで、限られた時間で意思決定しなくてはいけないケースが圧倒的に多いからです。誰が決めるかのパターンは大きく四つパターンが考えられます。

  1. メンバーで話し合い、メンバーで決める
  2. メンバーで話し合い、リーダーが決める
  3. メンバーで話し合わずに、リーダーが決める
  4. メンバーで話し合わずに、メンバーで決める

1番目のパターンが理想です。メンバーの納得度も高いし、意思決定後のメンバーのコミットメントも高いです。デメリットは時間がかかる点です。そのため、ビジネスの現場ではなかなか実践が難しい意思決定の仕方ではあります。2番目のパターンは逆に、意思決定までの時間は早いですが、メンバーからすると「意見は吸い上げても、管理職だけで決めるんでしょ」という無気力感を生み出すことにも繋がります。3番目は独裁です。とびきり優秀な管理職、カリスマ性を持つ管理職がやる分には効果的です。無能な管理職がこのパターンの意思決定すると目も当てられません。4番目のメンバーで話し合わずに、メンバーで決めるなんてあるの?とお思いの読者もいると思います。結構、このパターンは発生します。ろくに対話もせずに、安直に多数決で決めてしまい場合です。意思決定の結果について、誰も責任を取らないし、誰も納得しない、最低の意思決定だったりします。

意思決定で大事なのは、誰が決めるのを決めるという単純なことです。職場ではここが曖昧なケースは多々あります。まあ、失敗した時にみんな責任を取りたくないので、誰が決めるのかを決めたくないという背景もあるのでしょうが。