クマ坊の日記

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【book】競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略

 

 

今日はマーケティングに関する本のご紹介です。「競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略」です。2013年に出版された本になります。日本を代表するホテルグループ、星のや社長の星野佳路さんが監修を務めています。星のやのマーケティング戦略はこの本に書かれていることを忠実に再現しています。

この本は、コンサルタントのフレッド・クロフォードとライアン・マシューズさんによって書かれました。企業分析に基づくマーケティングのポジショニングについて書かれています。その主張は単純明快で、ビジネスに関わる5つの要素。価格、サービス、アクセス、商品、経験価値の5つのうちの1つで市場をリードし、別の1つで同業他社と差別化し、残りの3つで業界水準に達せれば市場で長きに渡って独自のポジショニングを維持しやすいと説きます。

どんな優れた商品やサービスもコモディティ化するのが普通です。しかし、この本はコモディティ化に巻き込まれていない企業を分析しているのがユニークな点です。また、限られたリソースをどこに分配するかが悩ましいのですが、この本では5つの要素のうち、2つだけダントツに、他の3つは業界平均を水準できれば十分だと主張している点も経営者に受け入れられているのだと考えます。

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実際に星のやは、この理論を実践していますが、「経験価値」を業界をリードする水準に、「アクセス」を他社と差別化しています。アクセスとは自社の予約サイトになります。楽天じゃらんで予約できるのは星のやグループの僅か一部のみです。圧倒的大多数のは、星のやのホームページに直接アクセスするように設計されているそうです。他の要素に関しては業界水準を維持するのが方針だそうです。

星のやを見ていると、この本の内容を実践したからもありますが、それ以上に方針を信じてブレずに継続して、積み上げてきた点に企業の強さの源泉があるように私は思います。なかなか、ブレずにやり続けるのは難しいです。結果が出なければ社内外からのプレッシャーも厳しくなります。結果を出そうと、つい他の施策にも手を出したくなります。経営者もブレるの望んでいるわけではありませんが、良かれと思って意思決定したことが裏目に出る。逆に時代の波に合致すれば、ブレたことが良い結果を生み出すこともあります。

本を読みながら、星野さんのリーダーシップの素晴らしさと時代を読む目の卓越さ、それに運の良さに思いを馳せてしまいました。そんな事は一行も書かれていませんが。

話が脱線しまさたが、ポジショニング論として面白い内容の一冊です。お勧めです。