クマ坊の日記

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【ビジネススキル】オープンイノベーションの成功は自分磨きにあり

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これからは自前主義ではなく、自社にないリソースは他社と一緒になって新商品、新サービスを開発していくべきだなんてことを話す経営者は多くなりました。オープンイノベーションなんて呼ばれています。今日はこのオープンイノベーションについて考えてみます。

 

オープンイノベーションとは

まずは言葉の確認です。オープンイノベーションとは、UCバークレービジネススクール教授であるヘンリー・チェスブロー教授によって提唱されたコンセプトです。乱暴に申し上げれば、「イノベーションを起こすためには、社内、社会の境界線をとっぱらって、情報や知識を混ぜこぜにすることでイノベーションを起こす」という内容です。確かに、全く異なる知識と情報が混ざる事で自社では決してブレークスルー出来なかったアイデアが生まれてきそうですよね。

 

P&Gは成功事例であり、失敗事例でもある?

オープンイノベーションの成功事例として有名なのは、P&G社です。とくに「プリングルス」はよく取りあげられます。病みつきになるポテトチップスですね。このプリングルスは2000年に売上を大きく落としていました。マーケティングチームは販売低迷のテコ入れ策として、ポテトチップスの一枚一枚にキャラクターなどの絵を描き、消費意欲を刺激する案を考えました。しかし、その案を実現するためのリソースは社内にありませんでした。そこで彼らは外部にリソースを求めました。イタリアで開発された食品用インクジェットプリンターを見つけだし、わずか半年で当初のアイデアを実現しました。このアイデアによってプリングルスの当時の売上げは二桁増に!R&G社はその後も各事業でオープンイノベーションを推進します。他の事業でも軒並み成果があがりました。当時はコネクト&デベロップ戦略と呼ばれ一世を風靡します。

しかし、リーマンショック後に同社は急激に業績を落とすことになります。表向きはリーマンショックのデフレ基調に乗り遅れたことになっていますが。。。本当のところはオープンイノベーションで外部の力に頼りすぎた結果、新しい価値を生み出す力が社内から失われたのが理由でした💦

 

自分磨きを忘れない

オープンイノベーションは新しい価値を生むには有効です。しかし、P&G社の事例にも見られるように、他社に頼るという安易な道に流れてしまうと本末転倒になります。自社の強みを磨きあげることを忘れると成り立たなくなります。「私は私の得意なことをやる。だから私の苦手なところは任せた!」という関係性が成り立たないと機能しないわけです。日本の大企業の多くも、関連会社にコア技術を任せている企業は多いと思います。お金があるうちはいいですが、金の切れ目が縁の切れ目とならないようにしたいですね。