クマ坊の日記

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【人材育成】幻想のOJT

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日本企業の強さの源泉は、「終身雇用」「年功序列」「企業内組合」の3つだと考えられていた時代がありました。それらが機能していたからこそ、職場のOJTを通して人も成長することができました。今日はOJT(On The Job Training )について考えてみたいと思います。

昔の人はそんなに教え方が上手だったのか?

日本はOJTで人を育成してきた国であるなんて言われていた時代があります。実際、職場では上司や先輩が後輩に対して、熱心な指導をする光景が日常茶飯事に見られました。私自身も20代、30代に素晴らしい先輩達から薫陶を受けることが出来ました。その時の経験が間違いなく、現在の自分の土台となっています。しかし、その一方で冷静に振り返ると、先輩達の教え方が上手かったというと甚だ疑問です。指導と合わせて、ビジネスでの成功体験を積めたのが大きかったと考えます。自分の成長と、事業や会社の成長がリンクしていました。人の成長の7割は現場での経験ですから、成長している職場や事業で働くと言うのは、大きな影響を与えたのさ間違いありません。どの事業が伸びるかなんて分かりませんから、運が良かっただけのようにも思います。

成長なき時代のOJT

失われた30年なんて言われることもありますが、技術の進歩は驚くほどです。進化するテクノロジーを部下や後輩に教えれる管理職や先輩は職場では少数派です。そんな管理職や先輩も低成長の時代を生きてきたので成功体験に乏しいです。人が入ってこない時代も経験しているので、リーダー経験も少ない。そのため、指導力に欠け教え方も属人的故に再現性に欠ける。OJTという装置はとっくの昔から機能していないように思います。OJTで人が育つというのは、もはや幻想なのかもしれません。

研修にもお金をかけてこなかった企業

OJTが機能しないのであれば、Off-itで補完するというアイデアもありますが、失われた30年間には企業の人材育成投資はあまり伸びませんでした。欧米や他のアジア諸国ともその差は歴然です。何故、企業は人材育成に投資しなかったのでしょうか?その理由の一つは、研修などの教育訓練費が財務会計上、費用として計上されてしまうことがあったように思います。「会社の業績が落ちているのに、費用ばっかり使いやがって!」と株主から突っ込まれるのを、経営者が恐れた側面もあるでしょう。

世界は20年前から、人的資本を注視していた

しかし、世界で先見の明がある投資家達は、企業の長期的な成長にはイノベーションが不可欠であり、イノベーションを起こすには人的資本が大切だということに気づいていました。日本政府や経営者もやっとその事に気づいたのが、ここ1〜2年の話です。ここからが本当の人材育成の時代に突入すると思います。