クマ坊の日記

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【マネジメント】ぶら下がり社員問題を解決するには

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企業の人事部のお客様と雑談で出るテーマに「ぶら下がり社員」に関するお話があります。指示された仕事は卒なくこなしてくれるのだが、職務に対する意欲や貢献度が低いというお悩みです。特に生産性の低い中高年を指していることが多く、「働かないオジサン問題」とも称されます。私も中高年のオジサンなので、この事について考えてみたいと思います。

オジサン側の言い分もある

日本企業の多くが、オジサン達にそのような働き方を期待させていた給与の支払い方をしていた事も忘れてはいけません。若い頃は、パフォーマンスよりも安い給与で働いてもらう代わりに、パフォーマンスが落ちてくる中高年になったら高い給与を払いますという制度になっている企業がほとんどでした。しかし、企業の成長が鈍化もしくは後退しているなか、このような給与の払い方ができなくなってきました。中高年の立場からすると、急に前提を変えて生産性が低いと言われても。。。と考えるのも分かります。

 

役割が不明瞭

日本企業は、個々が責任を持って決めてくというよりは、みんなで決めていくとう仕事の進め方をします。一度決まれば同じ方向に動ける強みがある反面、多くの人を巻き込むので意思決定に時間がかかりますし、多くの人が参加するので1人ひとりの責任はますます不明瞭きなります。また、係る人数が多いということは、個々人の貢献感も低下します。このような状況では、自分の担当範囲だけをこなそうという考えになっても仕方ありません。自分の役割範囲を越えて、周囲と軋轢を起こすようなリスクは避けたと考えるも、ノーマルな反応です。大企業になればなるほど、このような状況に陥りやすいのも、当然です。

 

ぶら下がり社員を生み出したくなかったら

環境や仕事の進め方を根本的に変えていく必要があります。責任の明確化、社員の1人ひとりの貢献実感が湧くような組織編成、そしてそれらに連動した評価、報酬制度の整備。組織の土壌や働き方自体を変えていかないと、社員のパフォーマンスも変わっていかないでしょう。土壌を変えても、現場を司る管理職が、雑草抜いたり、水や肥料を与えたり、手を入れていかないと変わっいきません。職場風土や文化に手を入れれば、必ず職場は混乱し、生産性もいっときは低下します。それらの混乱に耐えうる体力が企業にあるのか。根が深い問題ということです。