クマ坊の日記

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【人材育成】年上の同僚問題

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私の仕事は企業の人材育成の支援をしています。分かりやすいところで言えば、新入社員や管理職の研修を企画実施します。先日、お客様に呼ばれて2年目〜3年目社員の育成について意見交換してきました。今日はその時のお話です。

 

教育の対象者を理解する

教育を企画する際に大切なことがあります。それは、対象者分析です。当たり前ですが教育を受ける側が何に困っているかが分からなければ、教育メニューは検討できません。でも意外に、この対象者分析というのは出来ていないことが多いです。人事担当者が良かれて思って、「今回の対象者であれば、このようなスキルを身につけておいた方がいいだろう」と考えて、ほぼ担当者の趣味で教育メニューが企画されたり、普段、対象者と接点があまりない上位者(管理職)の印象や自分自身の経験則に基づいて企画されたりすることも少なくありません。

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 今回、ディスカッションするにあたって、先方の担当者にお願いしていたことが一つあります。教育の対象者である2年目社員、3年目社員に対して無記名のアンケートをお願いしました。「この1年間、職場で困ったこと」を自由記述してもらいました。

 

一番の困りごとは年上の同僚

この手のアンケートを取ると一昔前は、上司や先輩に対する愚痴が多かったものです。もちろん今でも、一定数はそのような答えは存在しますが、それ以上に散見されるのが「年上の同僚とのコミュニケーションや関係性」です。ここでいう年上は、かなりの年の差があります。40代だったり、50代だったり。キャリアは長いけど、モチベーションも低く能力も高くないオジサン。昔は管理職でバリバリやっていたけど、役定になって平社員として働くプライドだけは人一倍高いオジサン。組織で担っている役割は同じはずなのに、雑用は全て若手に振る。かといって自分の仕事をしているわけではない。年上同僚の姿と自分の会社での将来を重ね合わせ意気消沈する。年上同僚に注意をしたいけど、どんなふうに伝えたらいいか分からない。そんな日常で気力も体力もすり減らしている。。。ひどい職場ですが、この会社はいわゆる一部上場の大企業です。

 

会社はそんな若手にひたすら乗り越える強さを求める

このような状況に置かれている若手に対して、多くの企業はそんな年上同僚にも負けない自主性や主体性を身につけさせたいと要望します。。。その気持ちは分かるけど、全てを若手社員のスキルアップや能力アップに解を求めるのは無理ゲーです。人事担当者もそんなことは分かっているけど、年上同僚に期待できないし。。。でも、ビジネスパーソンの成長の7割は職場での経験です。だから、職場の年上との同僚の関係性を無視して、研修だけで解決するのは健全ではありません。根本問題は職場のマネジメントにあるわけですから、年上同僚に対する上司からのフィードバックやマネジメントを見直すことにも手をつけてもらうよう私からはお願いしました。別にそれで年上同僚が変わるとは思いませんが、そういう姿勢を会社が示すことはとても大切です。少なくとも、明らかに悪影響を与えている年上同僚が肩身が狭くなるような職場風土作らないとダメですよね。そうでなきゃ、優秀な若手からどんどん離職するだけでしょうから。