この一年、新商品を開発していました。昨年11月にローンチして、やっと初受注が決まりました。とりあえずホッとしました。今日は新商品開発と組織体制のお話です。
隣接市場をローリスク、ローリターンで狙う
今回の商品は隣接市場を狙っていました。私のお客様は人事部で、提供しているのは人材育成支援です。隣接市場なので、既存のノウハウを活かしながら、通常とは異なるマーケットへの参入を試みました。隣接市場を初めに狙ったのは、今後の社内での展開をスムーズにするためです。社長からは三年ぐらいかけて新しい市場を開拓してくれとは言われていましたが、三年も待てないだろうなと感じていました。現場からしても、既存のサービス提供で忙しいのですから、得体のしれない新サービスや新商品に関してはお手並み拝見で様子見です。現場を動かすためにも、トップを納得させるためにも早いタイミングでの成果は必要だと感じていました。
既存リソースはボトムアップで進める
隣接市場で短期間で成果を上げることを目標としていました。そこで、この新商品は社内のメンバーを集めて開発を進めました。新しい市場とは言え、お客様のニーズは顕在化していたので、気心知ったメンバーでスピード感を持って対応できました。隣接市場を狙うときは、小回りが効く組織体制の方が効果的であると実感しました。
周辺市場を新しい技術で攻める時はトップダウン
逆に既存市場とは異なるノウハウが必要だったり、既存リソースが限定的にしか利用できない。成果を出すのにも時間がかかりそうな周辺市場を狙う時は、トップダウンで進めるのがお勧めです。社長直属のプロジェクトチームのような型です。不確実性が高いため、守ってもらう必要があるからです。通常とは異なる投資判断や権限委譲なども必要になるからです。もちろん、トップの直属であることでやりづらい面もあります。トップの性格にもよりますが。
企業内で新規事業や新商品開発を行う際は、アイデアやリソース以前に、どんな体制で進めていくかも重要です。