私の生業は企業の人材育成を支援です。今日は
年末年始の政府や経済界の動きから、人材育成業界について洞察したいと思います。
教育未来創造会議
昨年末に政府である会議が立ち上がりました。岸田首相の肝入りでスタートとした「教育未来創造会議」です。実は同じような会議が安倍さんの時にも発足しています。当時は、首相、内閣府、文科相の大臣だけが参加していました。新たに発足した会議の参加メンバーは増えています。経済産業省、厚生労働省、国土交通省など計8省な閣僚がメンバーに加わっています。面子を見るだけでも、岸田さんの熱の入りようが伺えます。
学び直しができないと仕事がなくなる
この会議の目的は、社会人が大学などで学び直す「リカレント教育」は勿論、AIやグリーンエネルギーといった成長分野での人材を育成するための大学学部の再編と拡充を目指しています。ポイントは産業界で求められる人材育成を重要視している点です。皆さんご存知の通り、日本の労働人口は急速に減少しています。生産性を落とさないために、人が行っていた仕事は今後AIやロボットにどんどん置き換えられていきます。仕事を失った人は、全く異質な仕事のスキルを身につけなくてはいけなくなります。その際の受け皿として、大学という器を考えているのは明らかです。大学も少子化で運営が大変なので、国の政策に乗っかったほうが生き残れれと考えるでしょう。
しかし、社会人になったら勉強する人が少なくなるのは日本人の特徴です。社会人向けの講座は一昔前前より増えましたが、それでも全体の25%程度だそうです。少ないのには理由があります。安定した需要が見込めないので講座数は限られます。社会人側にも理由があります。勉強したいと思っても、企業側が本業に支障があるという事で通学を認めとない企業が7割を占めます。就業時間外や休日を利用しなくては学べないなが実態です。経済的な負担もありますし。
クマ坊の所見
おそらく今後政府は、学び直しを促すための政策に予算を投入していくでしょう。従業員が学び直しのために通学することを許可する企業に対しては税制上の優遇を図るでしょう。大学には社会人向けの講座を作るための補助金を出すのではないでしょうか。ただお金出しても、現在の大学にリカレント教育ができる素晴らしい人材は少ないのではないかと思います。結局、国の政策は上手くいかないようにも思います。ただ、今年は学び直し元年になるようのは間違いありません。