クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】未来の人材育成のカタチ

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先日、知り合いからの依頼である勉強会イベントに参加してきました。人材育成に関心がある方々が立ち上げた有志の勉強会です。多くは人事部門に所属する人ですが、現場のラインで働く人も参加されていました。改めて、現在は志や志向性が近い人々が簡単に繋がる時代なんだと実感しました。今日はその時に盛り上がったテーマについて書いてみたいと思います。

 

 

画一的な学びと多様な学び

企業内で提供される教育は、従来は同じ方向性を求められるものでした。「剛に入ったら剛に従え」の言葉のように、新入社員はかくあるべし、我が社の仕事はこうだから。と個人が組織の方に寄せることを目的としていました。しかし、現代は多様性の時代です。個人毎の強みを活かすことで組織としてのイノベーションを生み出すことを期待しています。当然、学びの在り方も、画一的な学びから多様な学びに移行するのが筋です。しかし、事は簡単に進みません。

 

学びの多様性

多様な学びの機会を用意するという事はとても面倒だと同義です。予算や人員などのリソースの問題がまずあります。おそらく現在のような一律の階層別研修は少なくなってくるように思います。多くの研修は選抜型、手挙げ方式が増えるでしょう。それ以外はスマホで個人の学びになると思います。マイクロラーニングなんて呼ばれていますね。それらに加えて重要になってくるのは、どんな仕事をアサインするのか。どのような人事ローテーションを行うのか。そして、それらの履歴をデータで管理する仕組みを企業側は持つことになるでしょう。いわゆるHRテックです。

 

人事プロフェッショナルが求められる

多様な学びを支える準備が出来たとしても、社員の側は自分に適した学びが何であるかは分かりません。ある程度、データが溜まればAIがリコメンドしてくれる時代になるでしょう。その際、問題になるのは日本企業の人事施策が人についている点です。人についていると変数が多くなるという事です。曖昧な事柄が多くてAIも困るかもしれません。また、過去のデータが役に立たないケースも沢山発生するでしょう。そうすると、人事のプロフェッショナルがまだまだ求められる時代のように思います。

【人材育成】目標を達成する人は2タイプいるらしい

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職場の部下とランチをしている時の話です。「年初に今年の目標を立てたんだ。ちなみに昨年も立てたんだけど達成したの一つだけだった💦」と話したら、「クマ坊さん、それ根本的に間違っていますよ。あなた全然、自分の事が分かってない!」と厳しい駄目だしをもらいました。

 

 

達成型と展開型

部下曰く、元旦に一年の計を立てるのは、THE昭和!とのこと。目標を掲げてコツコツと努力を積み重ねて目標達成できる人もいるが、クマ坊さんはそんなタイプじゃない。クマ坊さんは典型的な展開型だと言うのです。自分の好奇心のままに動いて、なんとなく達成していく。または全然当初のイメージとは違う形だけど、満足な結果を得るタイプだと言うのです。なんか微妙に貶されているような、褒められているような不思議がフィードバックでした。しかし、展開型なんて初めて聞いたんだけど。。。

 

プランド・ハップスタンス理論

展開型と言われても理解できませんでしたが、彼の話を聞いてプランド・ハップスタンス理論の事を言っているんだと理解できました。この理論は明確なキャリアプランなんて必要ないよ。だって環境変化が激しいんだから、立てても意味なくない?それより、偶然の出会いや出来事をポジティブに捉えてキャリアを開発していく方が現実的だよ。と言う考え方です。部下からのスパイシーな指摘通り、私はそのようにキャリアを築いてきたし、偶然の出会いや出来事が大切で、だからこそ人生は面白いと感じています。プランド・ハップスタンス、日本語では、計画された偶発理論に共感します。

でも、お正月だし、日本人だし、昭和生まれだし、年始に目標ぐらい立ててもいいじゃん!真面目か!と突っ込み返したのは言うまでもありません😅

 

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【人材育成】新参者が組織に馴染むために必要なこと

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先日、企業の採用担当者と新年会で飲んでました。「ハイスペックの人材を採用できたと思ったら、戦力になる前に辞めてしまった」とぼやかれていました。今日は新参者が組織に馴染む為に何が重要かを考えてみたいと思います。

 

 

企業側が考える成功した採用とは

企業側が考える成功した採用とは、ハイスペックな人材が採用できることではありません。採用した人材が戦力になって成果を出すことです。しかし、戦力化までは時間がかかるので採用担当者の評価はいかにスペックが高い人材を採用することになります。優秀な人材は話をすれば分かりますが、いわゆる平均的な人材は見極めが難しい。結局、相性が良さそうで学歴が良さそうな人を選びがちです。でも、入社してから活躍できるか否かが経営者としては最も関心があるところです。

 

成長が困難な時代と即戦力への期待

従来の日本企業は採用して仕事に馴染めば、多くの人が戦力となりました。企業自体が成長しており、終身雇用を前提としていたので戦力になるまでの時間的猶予も充分ありました。しかし、現在は成長のリソースとして最も重要な「経験」を獲得するのが困難な時代です。働き方改革で物理的な時間も短くなっていますし、生産性が求められるので仕事のサイズ自体も小さくなっています。与えられた作業の習熟は早いけど仕事の全体像が掴めないし成長実感も持てない。そもそも今までその企業で良しと考えられていたキャリアパス自体が無くなっているケースも多いですし。このように人が成長するのが困難な時代なのですが、企業側は個人に即戦力になることを求めます。採用コストは一人500万〜1000万。企業が即戦力を期待するのもしょうがありません。

 

新参者が組織に馴染む為に必要なこと

新参者が組織に馴染むことを社会化と言います。社会化の主体は2つあります。新参者の受け入れ側の組織と主体者である新参者自身。組織の側の代表的な施策は研修やOJTやメンター。それ以外にも歓迎会とか先輩社員との座談会もあたります。これらを専門用語ではオンボーディングといいます。語源は船や飛行機に乗ることをon boardです。新しく乗り込んできた、乗組員や乗客をサポートすることで慣れてもらうことです。昨今の人事部ではこのオンボーディング施策を充実させることが重要だと考えられています。

個人の側で言えば、積極的に職場の情報を取りに行き、アジャストいくことになります。自ら積極的に情報を取りに行くがポイントですね。組織から公式に説明される情報より、インフォーマルな情報の方が役に立ちますね。社内の専門用語、謎ルール、上司の志向性、職場の人間関係、DBの使い方・・・。情報を取るにはコミュニケーションが大切だという話ですね。

 

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【人材育成】人の成長は、気の持ち用で変わる

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私は仕事柄、多くのビジネスパーソンにお会いします。リーダー研修の参加者と、数年経って課長研修で再び会うなんてこともあります。順調に育つ人より、伸び代がある人の方が印象に残ります。そんなビジネスパーソンは総じて、前向きだったり素直だったりします。今日はビジネスパーソンの成長と気の持ち用について考えてみたいと思います。

 

 

grothマインドセット

マインドセットには2種類あります。fixedマインドセットとgrothマインドセットの2種類です。前者は、「自分の能力は成長せず固定してしまっていると思い込む心の状態です」このような状態に落ち入ると、「できない自分」が無能な人間に見えてしまい、未知のチャレンジを避けるようになります。その一方、grothマインドセットは「自分の能力は開発して高めていけると考えている心の状態です」シリコンバレーでは、「早めに、たくさん失敗しろ!そしてすぐ成功しろ!」なんて言う諺もありますね。

 

マインドセットは変えられる

研究によって。fixedマインドセットはgrothマインドセットに変えられることが分かっています。また、同じ人でも、分野や状況によって異なるマインドセットを持つことも可能です。私自身も仕事はgrothマインドセットですが、家のことはfixedマインドセットです💦

 

マインドセットを変える3つの質問

Grothマインドセットを高めるエクササイズがあります。最初の質問は「最初はうまくできなかったが、最近になってうまくできるようになったこと」を挙げてもらいます。2つめは、「絶対にできないと思っていたことが実際にできた」という経験を話してもらいます。そうすることで、その人には成功するための能力があることが示せます。3つめは「本当はできるはずないのに、できないと思い込んでいることはないか?」を質問します。これらの質問を通して、どんな人にも必ず身につけられる能力があることに気づいてもらいます。

会社風土とマインドセットの関係

マインドセットは個人の問題ではありますが、会社風土とも密接に関係があることがわかっています。社員が自分の会社を信じていればいるほど、そこで働く社員のgrothマインドセットは高まっていきます。考えていれば当たり前の話です。会社を信じられれば、例え仕事で失敗しても会社はサポートしてくれていると感じることでしょう。そしてこういう会社は概してチームワークを重視します。一方、fixedマインドセットに覆われている会社は、社員の中にスーパースターを常に探すことを重視します。あなたの会社はfixedマインドセットですか?それともgrothマインドセットですか?

【人材育成】振り返るだけでは、人は成長しない

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このブログでビジネスパーソンの成長は、職場での経験が7割、上司・先輩からの薫陶が2割、研修などの学びが1割だとお伝えしてきました。そして、経験だけでは人は成長せず、振り返りを行う事が重要であることもお話ししてきました。しかし、経験して振り返りを行なっても成長できない人がいます。今日は振り返りについて考えてみたいと思います。

 

 

大安売りされている「振り返り」

振り返りを専門用語では「内省」「省察」と呼びます。「経験」→「内省」→「概念化」→「実践」という4つのサイクルを回すことを経験学習理論といいます。経験学習理論は、多くの企業の人材開発担当者から支持を得ている強力な理論です。そのため、企業の人事からは研修プログラムを企画する際に、「受講者に内省させてください」とリクエストされることも多くなっています。それ故に、企業研修の世界では、「内省」という言葉が大安売り状態です。

 

 

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思考の枠組みは、自分で壊せるのか?

大人は自らの経験値から、この情報や考え方が自分にとって有益かそうでないかを判断します。この枠組みというのが厄介です。経験を積めば積むほど、枠組みは強固になります。そのため、「内省」をいくらしても、考え方を変えるのは至難の業です。また、経験に加えて厄介なのは権力です。階層があがるに連れてフィードバックの機会は減少しますし、そもそも自分の能力、判断に自信があるので「自分の枠組み」を疑って内省するのは難しいのが実態です。

 

自己認識には2種類ある

組織心理学者であるターシャ・ユーリック先生によると、自己認識には2種類あるとされています。内面的自己認識と外面的自己認識です。内面的自己認識とは文字通り自己の感情や思考について認識することです。外面的とは、周囲からどのように見られているかを認識する力です。そして、内面的自己認識が高いからと言って外面的自己認識が高いわけではありません。

 

例えば、自分の能力を過信する人は、自己評価が甘くなります。そのため周囲からみると改善すべきはそこじゃないのにと思われる事になります。だからいくら内省しても成長しません。逆に自分の能力に自信がない人は、「私の力はこの程度」と認識してしまい、自ら成長の伸び代を放棄してしまったりします。そのため、いくら経験を積んでも、いくら経験を振り返っても成長しないという事態に陥ります。

 

他者からのフィードバックを自らもらいに行く

自分で自分の枠組みに揺さぶりをかけるのが難しい以上、他者の力を借りるほかありません。わざわざフィードバックをしてくれる人は貴重な存在です。普段からの信頼関係、コミュニケーションが大切になるんですね。

 

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