今日のテーマは自分の働くモチベーション探しです。新人の頃は右も左もわかりません。しかし、5年ぐらい働くと自分の仕事の事がよくわかってきます。30歳前後で転職を考える人もいると思います。同じ会社、同じ仕事を続けていても、「今の仕事は自分に合っているのだろうか?」と自信を持てないビジネスパーソンも多いのではないでしょうか?そんな人が知っておくと為にもなるかもしれないのが、「キャリア・アンカー」という概念です。
目次
キャリア・アンカーとは
組織心理学者として世界的な権威である、エドガーH・シャイン先生が提唱した概念です。キャリアンカーは、仕事や勤務先を選択する際に、個人が意識・無意識に大切にしている判断基準を解説したものです。「自分らしく生きる」ために譲れないモノですね。アンカーとは船の「碇」のことです。船は世界中あちこち旅をします。そしていく先々の港に停泊します。この船の航海をキャリアをなぞらえたものです。人はいろいろなキャリアの航海にでます。人によっては転職という航海であったり、組織内でも異動という航海もあります。航海の先には、様々な勤務先・仕事・部署があります。どんな港にたどりつこうとも、人は自分らしさを保つために「碇」をおろします。「碇」はめったにかわることはありません。なんたって自分らしさを保つための拠り所ですから。
キャリア・アンカーは8種類
- 専門性
- 全般監理
- 自律
- 安定
- 企業家的創造性
- 社会貢献
- 挑戦
- ワークライフバランス
外国語訳なので、単語だけだとイメージできないですよね。とりあえず動機の源泉が8種類あるんだ程度に理解しといてください。以下、それぞれの項目について説明を加えていきます。
専門性
特定の仕事に対する高い才能と意欲を持ち、専門家や職人として能力を発揮することに満足と喜びを覚えるタイプです。その仕事が好きなので、仕事がかわるとモチベーションは著しく下がります。マネジメントにも全く興味がありません。仕事ができるので、会社からは管理職のお誘いを受けますが、できることなら避けたいと考えています。
全般管理
経営者や管理職になることに価値があると考えています。出世志向がある人たちですね。多くの人を率いいて成果をあげることに満足と喜びを感じるタイプです。順調に出世できればいいですが、役職定年で管理職を外れたり、出世争いに敗れるとモチベーションの落ち方は半端ありません。
自律
どんな仕事であれ、自分のやり方、自分のペースを守って仕事を進めることに重きを置く価値観の持ち主です。仕事自体にこだわりがあるわけでなく、仕事の進め方に裁量権がないと嫌がります。組織で求められる規律とかは嫌いです。自由度が高い職種や、フリーランスで働くことを望みます。
安定
文字のごとく何よりも安定を望む人々です。公務員を選ぶ人や、昔の価値観で大企業を選ぶ人たちです。安定した仕事と報酬が何よりです。仕事のやり甲斐?全く関係ありません。もっとも最近はずーっと安定した企業も少ないので仕事の選択肢は狭まりつつあるかもしれません。
企業家的創造性
一言でいうと新しいモノ好きです。新商品開発とか新事業開発なんかがやりたくて仕方がない人たちです。企業家だったり、芸術家、発明家がこのタイプです。自律の人と違い、創造性の発揮に最も重きをおきます。そのため、新しい事業や商品を創造できるのであれば、仕事の自律性は犠牲にしてもOKです。
社会貢献
仕事を通して、世の中を良くしたい役にたちたいと考える人々です。医療関係者、社会福祉、教育なんていう職業につく割合が多いです。
挑戦
一言でいうと冒険野郎です。不可能と思えるような障害を乗り越えたい、解決不能と考えられてきた問題を解決したいなど常に挑戦を求める人々です。特定の仕事や専門性にはこだわりません。
ワークライフバランス
仕事と家庭生活、公的な仕事の時間と私的な個人の時間のどちらも大切にしたいと願い、両者のバランスを図る人々です。仕事に打ち込む一方で、家庭も大切にします。仕事と家庭は密接なバランスをとっているので、家庭でトラブルを抱えると仕事も当然うまくいきません。
1人が複数のキャリア・アンカーを持つ
8種類のキャリアアンカーがありますが、どれか一つだけという人はいません。キャリアアンカーの中でも2種類〜3種類ぐらいの基準を大切にしているのが普通です。キャリア・アンカーを正確に調べるには診断テストを受ける必要があります。しかし、5年以上働いていれば上記の文章を読んで自分があてはまるなと感じるキーワードがあると思います。それが自分のキャリア・アンカーと考えてOKです。ちなみに私のキャリア・アンカーは、自律・社会貢献・全般管理の3つです。💦
キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう (Career Anchors and Career Survival)
- 作者: エドガー・H.シャイン,Edgar H. Schein,金井寿宏
- 出版社/メーカー: 白桃書房
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 75回
- この商品を含むブログ (21件) を見る
仕事選びの私の考え
ここからは私の持論です。仕事を選ぶときは、キャリア・アンカーで示したような自分が価値を感じることを選ぶと良さそうです。いわゆる自分軸ですね。でも自分軸だけだと継続しないような気もします。自分の仕事を通して、誰かのためになっていることが実感できると天職とか言えるような仕事になるのではないかと考えています。やっかいなのは、自分のキャリア・アンカーはある程度の仕事経験がないとわからないことです。仕事にはいろいろな側面がありますから。経験してみないとわからないことがたくさんあります。逆を言えば新卒で自分のやりたい仕事と出会うほうが奇跡的なことかもしれません。仕事選びは難しい。