クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】繋がることが学ぶこと

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6万8400時間と聞いて、何の時間かが想像できた人はかなり鋭いです。これは、22さいから働き始めて60歳の定年までの時間です。今日はビジネスパーソンの学びについて考えてみたいと思います。

 

働くことは学び続けること

人生の中で勉強した!と思うのは、やはり学生時代だと思います。しかし、時間を計算してみると義務教育9年間で学んでいる時間は1万4000時間です。授業の時間だけで。それでも、卒業してから働いて過ごす時間の方が圧倒的に長いわけです。単純に、学生時代の5倍の長さです。それなのに、勉強しないで、自分が成長しないで乗り切ろうというのは無理があります。まして、変化の激しい時代ですから。人生100年時代と言われる以前から、働くことは学び続けることなんですよね。

 

個人の学びと他者とのつながり

学生時代の学びのゴールはテストで良い点を取ることでした。だから、教科書や問題集を片手に机に向かって黙々と勉強しました。学校や塾での学びも、基本一方通行の学びだったように思います。個人で頑張るが基本でした。しかし、社会に出てからの学びは異なります。社会で働く人は、経験的に理解されていると思います。職場の先輩や同僚から、仕事のやり方を教えてもらったり、仕事で失敗した時に励ましてくれたり、上司から説教くらったり、取引先の担当者から感謝されたりしながら成長していきます。成長の単位はあくまで個人だし、個人で努力するのはもちろん大事ですが、他者と繋がることで人は成長します。リアルに触れ合うのが一番インパクトがあるのでしょうが、現代はネットで繋がるのもアリですよね。ネットは距離や世代を越えていきます。普通に生活していたら会えない人達と繋がるわけですから。英語ができれば、さらに範囲は広がりますよね。

 

繋がることが、学びに繋がり、学ぶことが成長に繋がる。人はつくづく社会的な生き物なんだなと思います。

【人材育成】ダイヤはダイヤで磨け!

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私は経営者の経験はありませんが、経験幹部を育成するご支援しています。今日は経営幹部の育成について考えてみたいと思います。

 

 

経営幹部は育成できるのか?

まずそもそも経営幹部は養成できるのでしょうか?結論から言うとYESです。ただそれは教室に座って、講義を受けることではありません。経営の経験でしか、経営は学べません。そこで研修で多いのは、ビジネスプランを考えて発表させる形式です。ビジネスリーダー教育と呼ばれています。

 

研修の内容より、舞台演出

ビジネスリーダー教育で多い形は、事業戦略、財務、マーケティング、リーダーシップを学びながら、最終的には社内外の課題に対する企画案を立案させ発表させるというものです。新規事業開発のテーマが割合と多いですね。ここで大切なのは、研修で学ぶ内容より舞台演出だったりします。少なくとも社内では、幹部候補への登竜門と認知されなくてはいけません。そのためには、社長を含めた経営幹部のコミットメントは不可欠です。

 

演出よりも大切なのは人選

内容よりも、演出よりも、大切になるのは受講生の選抜です。経営幹部は育成できると前述しましたが、誰でも素養があるという訳ではありません。では、どんな人を選ぶかと言えば35歳、企業規模が大きい場合は40歳までのハイパフォーマです。また、その年齢までに修羅場経験を積んでいると望ましいです。年齢は非常に重要です。組織は個人に社会化を求めます。所謂、社風や組織文化に馴染んだ上で成果を出した人が出世します。でも、この社会化は経営幹部としては足枷にもなります。今日の正解が明日の不正解に繋がるからです。だから、あまりどっぷりその会社に染まらないことは大切です。とは言え若すぎても厳しいです。ビジネスパーソンの熟達化には10年かかります。大卒で入社してもハイパフォーマーになるには35歳前後までかかるでしょう。もちろん、20代でより厳しい経営経験を積めば、話は異なりますが。でも、そんな人は企業勤めではなく最初から起業を選択するように思います。

 

そして、ダイヤはダイヤでしか磨けません。ハイパフォーマーが切磋琢磨することが、成長を加速させます。この受講者の選抜を手を抜くと研修効果は下がります。そもそもハイパフォーマーなんて、全従業員の1〜2%がせいぜいです。という言葉で経営幹部を育成の鍵はダイヤはダイヤで磨くにつきるという事です。

【人材育成】勘と経験と度胸が昔は大嫌いだった

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先日、我が社の新入社員とランチする機会がありました。先輩社員と話を持つことで、彼らの成長の機会とすると共に社内ネットワークを構築することが目的だそうです。彼らの質問に答えながら、私は自分の頭の中で別の事を考えていました。それは、自分の新入社員の頃の事です。

 

 

勘と経験と度胸という言葉が嫌いだった

入社当時は、経験という言葉が嫌いでした。何故ならビジネスパーソンとしてこの会社で生き残っていくために最も必要なものが「経験」であったとしたら、一生、先輩や上司には勝てないと言われているような気持ちになったからです。彼らの方がキャリアはあるので、キャリアの長さでは永遠に追いつかないからです。また、「勘」と「度胸」に関しては極めて主観的、個人的なものだから大切だと言われても学習しよがないとハナっから信じていませんでした。

 

だから、新人時代の私は「経験」に勝てるものを探していました。そこから生まれた結論が、「若さ」「活動量」「情報量」の3点で先輩に勝るでした。

 

先輩達に勝つために実践したこと

経験の長さでは、先輩には勝てないが、みんな一歳ずつ歳をとっていく。社内の年齢構成を考えたら近い将来、花形業務を担当する時代が来る。その時までに地力をつけよう。とは言え、ずっと棚からぼた餅を待っているほど辛抱強くもない。質が足りないなら、自分は量で勝負することを意識してました。当時は結婚もしてなかったので、仕事だけに集中できました。今のような働き方改革もなかったので猛烈に仕事してました。最後に大切にしたのは、勉強すること。私が生業としている人材育成は、抽象的な概念に陥りがちの仕事です。すぐに結果が出るものではないので。それが私には不満でした。より良い人材育成の手法はないのだろうか?より実践的なマネジメント手法はないのだろうか?少なくとも、お客様には自信を持って話ができるようにしたい。そんな想いで書籍を読んだり、先輩コンサルタントから教えを請うたり、仕事を通して先輩コンサルタントの技を盗むように観察していました。

 

勘と経験と度胸も、活動量も情報量も大事

あれだけ若い時に嫌いだった「勘」と「経験」と「度胸」ですが、今はどれもが大切に感じます。「勘」は過去の判断の集積です。どんな職業でもプロフェッショナルと呼ばれる人は、その分野の「勘」が働きます。人間の脳の機能の素晴らしさですね。どんな仕事でも熟達化するには10年かかります。「経験」は経なくては、熟達化はありえません。ビジネスに正解はありません。思い切って未知の仕事に飛び込むには「度胸」も必要です。そして、それら3つを獲得するには、「仕事量」は避けて通れません。また、経験を積んでも「情報量」がなければ、概念化できません。つまり人の成長には全てが必要ということです。

【人材育成】コンサルタントの採用でみているポイント

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お客様と仕事の打ち合わせをしていました。本題の話しが纏まったところで、お客様からおもむろにこんな質問を頂きました。「クマ坊さんの会社では、コンサルタント志望の学生を採用する時、どんな基準を大切にされているんですか?」という事で今日はコンサルタントの採用について話をしてみたいと思います。

 

 

学生は採用しない

私の所属する会社では、コンサルタント志望の学生は採用しません。5年以上のビジネス経験がある人だけを採用します。ビジネスの世界は、複雑でグレーな部分ばかりです。それらのグレーな部分に対して理解、共感できて、自分の見解が述べれることが求められるからです。そのように考えるので、ビジネス経験を重要視します。

 

地頭の良さはそこそこ必要

地頭、いわゆる問題解決能力は人並み以上に必要です。研修を行うぐらいであれば、ロジカルな思考が基本的に身についているレベルでOKです。人事制度設計や業務改善等のコンサルの場合は、より緻密な考える力が求められます。専門知識はあるに越したことはありませんが、それほど重要ではありません。

 

資格はあまり関係ない

資格取得もないよりあった方がいいですが、採用で特別有利ということはありません。MBA.中小企業診断士コーチング、キャリアカウンセリングの資格を持っている人は多いですが、資格保有コンサルタントの優秀さとイコールではありません。もちろん、自分の専門性を掲げるという点では意味はあります。専門性に関連して、前職でどんな経験を経てきたかをイキイキと語れる方が重要です。

 

感じの良さ

コンサルタントを志望する人は、ある種、企業勤めには向かない人達でもあります💦 そして多くのコンサルタントは自信家です。自信家である事は、コンサルタントとして強みでもありますが弱みにもあります。何故なら、コンサルタントを売ってくれる営業からすれば癖が強い自信家は扱いが面倒くさいですから。また顧客側も人柄の良い人のほうが相談しやすいです。顧客との信頼関係なくして、コンサルは成り立ちません。だからいくら能力高くても、人柄がよくないと長期間にわたる活躍は見込めません。

 

リーダーシップが最も欲しい素養

コンサルタントは第三者として、顧客の問題に介入します。いくら良い絵図を描いても、顧客を動かせなければ成果は出せません。顧客や多くの関係を巻き込んで、プロジェクトを進める力が何よりも必要です。

 

採用する側とすると、その人物がリーダーシップがあるかどうかを見極めるために、前職での経験を深くインタビューします。ユニークな経験をしているか。その経験のディテールを楽しく面白くかたり

【人材育成】企業が求めるのは、自主性なのか?主体性なのか?

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先日、お客様と研修の打ち合わせをしていた時の話です。話題は社員、特に若手の主体性についてでした。しかし、微妙に話が噛み合いませんでした。よくよく聞いているとお客様が期待しているのは自主性でした。この2つの言葉は一見似ているようで、その意味することは異なります。今日はビジネスパーソンに求められる自主性と主体性について考えてみたいと思います。

 

 

自主性と主体性は似て非なる

辞書で調べてみると「自主性」とは、他人からの干渉や保護を受けず、独立して行う性質や態度と説明されています。一方、「主体性」は自分の意志、判断によって自ら責任を持って行動する態度や性質。ますます迷宮の森に踏み入ってしまったような💦

 

我が家で、夕飯前後に娘が繰り広げる光景で説明してみると、夕飯前に親から言われる前に宿題を解き始めるのが自主性です。一方、夕飯前に「ママが夕飯作るなら、私はデザートを今日は作ってみる」というのが主体性です。自主性は、やるべき事があって、その事を他者から言われる前に自からアクションを取る事です。この例だと、やるべき事は宿題です。私や妻から「宿題やった?」と言われる前に行動できたら自主的だと判断されます。一方、主体性とは自らの意志、判断がポイントです。そこには、自からの「目的」が内在されます。娘の夢はパティシエです。そのために、腕前を試作して誰かに食べてもらう機会は彼女にとって重要です。

 

周囲から期待されている事を自から行うのか、目的自体も自分で決めてしまうのか。自主性と主体性の大きな違いです。

 

前に踏み出す力?

ただでさえ混乱をきたす「自主性」と「主体性」ですが、さらに火に油を注ぐのが、経済産業省がとりまとめた、社会人基礎力なるものです。これは、人生100年時代を迎えるにあたって企業、組織、社会で働き続けるに求められる社会人としての基礎力だそうです。前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力を柱として、12の能力要素として説明されています。提言自体は全うなのですが、よく内容を理解しないで、感覚的に捉えている人事担当者も少なくありません。「前に踏み出す力」って如何様にも解釈できますから。如何様に解釈してもらっていいのですが、我が社が期待する「前に踏み出す力」については語れるようであって欲しいです。

 

自主性から主体性

従来は企業では、主体性より自主性が求められてきました。上司が期待する行動を忖度して行動できる社員が評価されました。しかし、それも終身雇用や働き続ければ給料も上がるという前提が成立しての話です。もうそんなの幻想ですね。いくら忖度しても、ぞんざいな扱いを受ける50代の先輩達を見れば明らかです。個人が長期間働き続けるには、主体性がある人の方が生き残る確率は高いように見えます。

 

主体性を尊重する組織風土か

悩ましいのは、これからの時代は主体性が求められると言っても、現実には、自主性を求められる職場が多いということです。企業側も社員に主体性を求めるのであれば、マネジメントの仕方をかなり変える覚悟が必要です。経営者の器が試されますね。