前回、システム構築に代表される変革プロジェクトの立ち上げ時に大切なことを考えました。その中でも、最も大切なのは人だと感じます。今日は変革プロジェクトの人に関して深掘って考えます。
タフなリーダー
変革プロジェクトは、変革の言葉がつくだけ前列がなく、不確実性の高いプロジェクトとなります。一寸先は真っ暗な中、自ら松明を掲げて前進しなくてはいけません。そんなプロジェクトリーダーに求められるのは、タフな精神力と柔軟性を併せ持ち、側から見るとネジが一本外れているように見えるぐらい、そのプロジェクトにのめり込める人です。変革はどんなに素晴らしい内容であってもコンフリクトを引き起こします。混沌な状況に動じず、むしろそんな状況を楽しめる人物。自分で舵をとって意思決定が出来ることが求められます。まともな感覚であれば、そんな不安定な仕事を避けたいと考えるのが普通です。少し狂気というか、常識外れの人でないとリーダーは務まらないように思います。
組織はあえて無視する
通常、社内でシステム開発などの変革プロジェクトが立ち上がると、その業務に詳しい各部門の代表者が招集されます。しかし、これが意外な落とし穴になります。各部門の利益代表のようなポジショントークをせざる得なくなります。全体最適な思考や発言を期待するのは難しくなります。私のお勧めは、人物本位で一本釣りを狙うこと。当然、そのような人物は仕事が出来るので多忙です。そのため、プロジェクトの会合にも毎回出席出来ないかもしれません。しかし、よく考えると毎回の会合に全員が参加する必要もないと思います。何故なら、その人の力を借りたいパートは限定的な場合が多いからです。また、最近はビジネスチャットで情報を簡単に共有出来るので、非同期のチャット上での打ち合わせを行うのも難しくありません。制約条件を外して考えると選択肢は増えるかもしれません。
難易度が高いプロジェクトの担当になったら、人を集めることに妥協してはいけません。