社内で役職者がメンバーを褒めることを、基本的に私は大賛成です。しかし、どんな行為には功罪があるなとも最近感じています。今日は「いいね」の使い方について考えてみたいと思います。
具体的に褒める
マネジメントを行う上で、「褒める」はとても大切なことです。褒められた方は気分もあがります。承認欲求も高まるし、仕事も前向きに取り組んでくれるようになります。自己効力感も高まり、新たなストレッチした仕事にチャレンジする心理的な原資にもなります。「褒める」時に大事なことは、具体的に「褒める」ことです。「いいね」「素晴らしい」の賛辞は言わないよりは遥かにいいですが、中身がないと褒められた方は、「私の仕事よく見ていないんだな」と、褒められているに、ちょっと残念な気持ちになってしまいます。
空気察するメンバー
褒めることは基本的に大賛成なのですが、褒めることが悪い方に作用する場合もあります。それが会議の場です。特にアイデア出しの初期段階です。何故なら、みんな空気読んでしまうからです。メンバーの意見を、特に権力を持っている役職者が褒めてしまうと、他のメンバーは異なる意見を出しづらくなります。役職者が「いいね、いいね」と言うことは、その役職者の尺度と合っているという事です。メンバーはそれを察して、自分の意見の選択肢を絞って発言することになります。課長クラスであれば、メンバーもそこまで縛られることはないでしょうが、部長、役員と階層が上がるたびに、「いいね」の影響力は大きくなります。そして、その影響力の大きさに本人は気づかないものです。周りにフィードバックしてくれる人もいないですし。結局、自分で自分の事を客観的に見れる力がないと厳しいです。