クマ坊の日記

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【マネジメト】メンバーの背中を押す「ナッジ理論」

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管理職は周囲を動かして成果をあげることが期待されます。しかし、この周囲を動かすというのが難しい。この人を動かすで近年、注目を集めているのが行動経済学のナッジ理論です。今日はナッジ理論について考えてみたいと思います。

ナッジ理論とは

アメリカのリチャード・セイラー教授が提唱し、2017年にノーベル経済学賞を受賞したことで注目が高まりました。ナッジ理論とは「人々が強制的にではなく、よりよい選択を自発的に取れるようにする方法」です。もう私たちの生活でよく実践されています。混雑したコンビニやスーパーの床にテープで立ち位置を表示していますよね。我々はお店の人に強制されることなく、自然と順番に列に並び、適切なソーシャルディスタンスを取るようになります。レストランでもお勧めメニューがあると、そちらから選ぶことが多くないですか?お勧めメニューが、注文に悩む人の意思決定をそっと背中押しているわけです。冒頭の親像が小像の背中を押すように。

 

四つの基本理論

  1. 初期設定をつくる
  2. フィードバックする
  3. インセンティブを与える
  4. 選択肢の構造化

初期設定をつくるは、とって欲しい選択を最初から設定しておくことです。先程のレストランの例で言えば選択して欲しいメニューをお勧めとして設定しておくことです。フィードバックは特定の行動を起こしたらただちに反応が返ってくる仕組みをつくることです。インセンティブは特定の行動を選択した際にメリットを与えることです。お勧めメニュー選んだら、コーヒーが無料でついてくるとかです。選択肢の構造化は分かり易くすることで誘導するテクニックです。お勧めメニューであれば、店長のお勧めとか、季節のお勧めです。

 

マネジメントへの応用

例えば、メンバーに選択して欲しい行動を初期設定してしまいます。私が営業でマネジメントをしていたときは、「不在時に電話やメールを頂いたらその日に返し、宿題もらったら3日以内、提案を求められたら1週間以内に打ち返す」をデフォルトとしていました。デフォルトの行動ができたら、すぐ褒めるようにしました。特にこの行動習慣が身についていない若手メンバーに対して。フィードバックすることで、若手メンバーの自信につながり行動の定着化を促します。インセンティブは、会議等で職場メンバーの前で褒めるようにしました。若手メンバーに案件と行動プロセスを報告させ、それに対してプラスのフィードバックを行いました。職場で具体的な行動を褒められるのは、嬉しいものです。選択肢の構造化は分かりやすさです。先程紹介したのも、お客様から連絡もらったら1日以内、ちょっとした宿題は3日以内、提案を求められたら7日以内と分かり易すさを意識したルールとしました。ちょっとした言い方、促し方の違いひとつでマネジメントもだいぶやりやすくなるものです。