先週から、職場で優れたチームワークを発揮すれための方法について考えてきました。ベースになるのは信頼関係であり、アウトプットを出すためには衝突も厭わない。さらに意思決定を恐れずアクションを起こすことの重要性を書いてきました。ここまで出来ればかなり優秀なチームです。しかし、まだ足りない要素があります。それがお互いに要求し合うことです。
ボールの置き場所
私はサッカーが大好きです。特にJリーグの横浜F・マリノスを応援しています。プロの試合はプレッシャーとスピードが半端ありません。数十センチのボールの置き場所や、身体の向きが違うだけで局面に与える影響は変わります。だから強いチームほど、味方選手への要求は高くなります。「左足の数センチ先にバスが欲しい!」「このタイミングでこの位置に走り込んでくれ」「守備位置はあと1メートル高く設定しよう」ピッチ内外で要求し合えるのが強いチームです。でも、ビジネスパーソンは職場内で要求し合うのは難しいです。対人関係が悪くなりますし、難しい会話は避けようとするのが人間の性質だからです。
昔のコンサルタント
人材育成のコンサルタントになった時は、この要求し合う文化には馴染めませんでした。例えば、仕事が成功して大きな受注が取れた時のことです。先輩コンサルタントが祝勝会を開いてくれたのですが、最初は楽しく飲んでいたのですが、後半はもの凄い勢いで説教されました💦説教になった理由は、一つの受注で私が満足しているのが気になったためです。それぐらいで喜ぶな!もっとお客様の立場で考えろ!もっとよくするためにはどうしたらいいか考えろ!まあ、酒の席で説教し始めるのはどうかと思いますが、当時はメンバー同士の期待水準が高く、いい合うのが当たり前でした。不思議なことに翌日は、何事もなかったように笑顔で話かけられます。この切り替えの早さ何⁈でしたが、お互い尊敬しているから、相手の仕事ぶりに期待を寄せているからこそのリアクションだったと思います。精神的なプレッシャーは大変でしたが、お互い切磋琢磨できますし、期待は裏切れないといい仕事をしようという意欲にも繋がりました。
普通の職場で、要求し合うには
サッカー選手やコンサルタントはプロフェッショナルな意識が高いので、要求し合う文化に馴染みやすいですが、普通の職場だと難しい面もあります。メンバーが互いに要求しやすくなる方法の一つは、目標と基準を明らかにすることです。成功するためにはチーム全員がどのように行動する必要があるかを明確にすることです。私が営業マネジメントを担当していた時は、お客様からのメール、電話は24時間以内に打ち返す。宿題を頂いたら3日以内、提案の機会を頂いたら1週間以内に提案するなどの基準を作ってそこだけは口酸っぱく指摘していました。まあ、私がフィードバックするだけでは効果ないので、定期的にメンバー間でフィードバックする機会もつくりました。寧ろメンバー同士でフィードバックすることを大切にしました。上司が指摘してくれると思っているチームは主体性が育ちません。お互い要求し合う文化を形成するのはかなり難しいですが、築けたらどんな戦略よりも力を発揮します。ポイントは基準を明らかにするだけでなき、相互でフィードバックする機会を設けることです。個人任せだとフィードバックしませんから。
個人よりチーム業績を意識させる
もう一つ些細な事ですが、個人の業績ではなくチームの業績にフォーカスさせることも重要です。ちょっとしたことなのですが、メンバーの責任感にも大きな影響を与えることになります。これはまた次回お話します。