クマ坊の日記

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【マネジメント】マネジメント理論の変遷とモチベーション理論

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今週はマネジメント理論の変遷について語っています。100年前にマネジメントという考え方が誕生しました。科学的管理法という仕事を分析することからスタートしましたが、人間は感情の動物だから機械のようには働いてくれない。そこで、より人の側面を意識すべきだという雰囲気が形成されてきたというお話をしてきました。今日はその後のマネジメント理論についてのお話です。

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モチベーション理論の発展

第二次世界大戦後、産業界は大量生産構造が加速していきます。そんな中、マズローの「欲求五段階説」バーズバーグの「二要因理論」、さらにマグレガーの「X理論、Y理論」といった「人」側面を重視した行動科学分野が発達していきます。これらと併行して、経営資源の中で最も重要と言える「人」の動機付けへの関心が、産業界でも広がっていくことになります。

 

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マズローの欲求五段解説

人間の欲求を5つの階層に分け説明した心理学理論です。

  1. 生理的欲求
  2. 安全欲求
  3. 社会的欲求(集団に所属したり、仲間が欲しい)
  4. 承認欲求(私を認めて)
  5. 自己実現欲求

自己実現欲求は、生理的欲求から承認欲求が満たされていないと実現できないと考えられています。また、自分の価値観に照らし合わせて、自分らしく生きたいという欲求でもあります。承認欲求までとは違い、実現するのが難しい欲求とも言えます。余談ですが、私が新入社員だった20年以上前には、自由と自己責任というキーワードがバズりました。その中で、自己実現欲求を目指すことが大事なんてことが言われました。しかし、自分の価値観が定まっていないと自己実現なんていうのは出来ないわけです。五段解説と言いますが、承認欲求と自己実現欲求の間はだいぶ離れています。それを知ってからは、安易に自己実現というキーワードを私は使わないようにしています。

ハーズバーグの二要因理論

二要因理論とは、人の仕事に対する欲求を、「衛生要因」と「動機づけ要因」の2つの要因に整理しました。「衛生要因」は、仕事における働きやすさを作る環境要因です。具体的には、職場の方針、マネジメント方法、給与、職場の人間関係、職場環境などを指します。これらの衛生要因は、満たされてないと不満になります。一方「動機づけ要因」は仕事における働きがいを作る意欲要因です。仕事の達成感、人事評価、権限委譲、成長実感などが当たります。動機づけ要因は、満たされなくても直ちに不満になることはありませんが、満たされればやる気になる項目です。どちらもバランスよく引き上げることが大切です。

マクレガーのX理論/Y理論

X理論とは「人間は本来仕事が嫌いであり、仕事をさせるには命令・強制が必要である」という考え方です。性悪説的な捉え方です。一方、Y理論は「仕事するのは人間の本性であり、自分が設定した目標に対し積極的に行動する」という考え方です。こちらは性善説的な捉え方です。

 

人のモチベーションへの関心は高まりますが、人の側面だけ押さえておけばマネジメントはOKという単純な話でもありません。この後も、「人の側面」と「仕事の側面」の2軸踏まえた理論と実践が、試行錯誤しながら現代にも続いていきます。