クマ坊の日記

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【人材育成】熟達の10年ルールと学びの主導権

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どんな職業でも熟達化するのに時間がかかりす。若手ビジネスパーソンからすれば、ならべく無駄な時間を過ごさず、最短距離を走り抜けたいところです。しかし、なかなかそんなに重い通りの成長曲線を描ける人は少数派でしょう。今日はビジネスパーソンの熟達化について考えてみたいと思います。

熟達の10年ルール

心理学者のエリクソン教授が唱えたのが、「熟達の10年ルール」です。ピアニストやプロスポーツ選手の発達を研究した結果、熟達には10年の時間が必要としました。エリクソン教授は、発達の段階を初心者、定型の仕事なら、早く、正確に、自動化されたスキルで遂行できる定型的熟達化、状況に応じて対応ができる適応的熟達化、安定して高いレベルのパフォーマンスを発揮できる創造的発達化の四段階に分けて説明しています。到達するのに10年の時間がかかるのが、4番目の創造的発達化です。この域までくると、次の展開が予想できたりもします。「熟達の10年ルール」はプロフェッショナルの世界だけでなく、ビジネスパーソンの世界でも同じような研究結果が報告されています。

より早く成長するために必要なこと

熟達化には概ね10年という時間が必要ですが、少しでも成長速度を早めることはできないのでしょうか?結論から言うと可能です。その鍵はストレッチした経験です。例えば同じ営業だとしても、標準的な商談経験の場数を踏むよりも、例外的な商談、難易度の高い商談で成功体験を積んだほうがより成長に繋がります。サッカーで例えるなら、J3よりもJ2、J2よりもJ1、J1よりも海外での経験を積んだ方がより選手として成長できるということです。ただ、カテゴリーあげても試合に出場出来ないようであれば成長は難しいでしょう。それであれば、下位カテゴリーで試合出場していた方が、成長できる可能性は高いでしょう。

ビジネスパーソンも同じで、難しい仕事はそもそも任されることはありません。上司の監督責任を問われますから。すると、必然として今、任せられた仕事で成果を出す他ありません。10年前までは、残業も普通当たり前だったので、自然と経験を通して習熟度をあげることができました。その一方でワークライフバランスなんて取れませんでした。今の時代はワークライフバランスは取りやすくなっている反面、成長するのには過酷な環境になっています。

誰から教わるか、誰と仕事をするか

ワークライフバランスを大事にしながら、仕事の腕前をあげていくのは難易度の高いミッションです。このような環境下では、自分が憧れる上司や先輩を見つけられるか否か、一緒に仕事する機会があるかどうかの重要度が増すでしょう。限られた時間で、最良のお手本が見れる、的確なフィードバックをくれる、上司先輩と出会えるかはキャリア開発における分水嶺になります。しかし、こればっかりは運の要素も高いわけです。社内でチャンスを得る努力をしつつ、外部でもそういう人との出会いを求めていく時代なのでしょう。どちらにしろ、能動的にアクションを起こせる人でないと、どんな分野においてもプロフェッショナルになるのは難しいように思います。学びの主導権は我にありです。