クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】熟達化のステップとは?初心者からプロフェッショナルへの道のり

f:id:kumabou2016:20240114224540j:image

今日は熟達化に関するお話です。どんな職業でも、その道のプロフェッショナルになるには10年かかると言われています。人材開発の世界では、熟達化理論として研究、発表されています。では、内容を見ていきましょう。

熟達化へのステップ

誰もがいきなり、その分野のプロフェッショナルになれるわけではありません。発達の段階をステップアップして熟達化していきます。そのステップとは下記の通りです。

  1. 初心者
  2. 見習い
  3. とりあえず一人前
  4. 頼れる中堅
  5. プロフェッショナル

それぞれの定義を見ていきましょう。初心者はそもそも、自分の周りで何が起こっているか理解出来ていない状態です。会社で言えば、入社したての新入社員です。次は見習いです。状況は部分的には理解できるようになったが、上司や先輩の指導や補佐がないと、まだ仕事できないような状況です。その段階を過ぎると、とりあえず一人前になります。「とりあえず」の但し書きがついているのがポイントです。取り巻く状況も理解できているし、単独で仕事も出来ます。しかし、成果は一定ではありませんし、仕事によっては習熟していないスキルもあります。その次の段階は、頼れる中堅です。安定してスキルを発揮することができます。当然、パフォーマンスも安定しています。上司の立場からすると、こんな頼りになる中堅がいると助かります。そして、熟達化の最上位がプロフェッショナルです。プロフェッショナルになると、考えるのではなく、直感で最適解を弾きだし、卓越した成果を再生産することが可能です。このプロフェッショナルの領域にいたるまでに、どんな分野でも約10年かかると言われています。

2つの壁

誰でも、経験を積んで頑張ればプロフェッショナルまで到達出来るのでしょうか?答えはNoです。調査によると、頼れる中堅になれるのは全体の30%!プロフェッショナルになると全体の10%に過ぎません。残りの60%はとりあえず一人前で発達が止まってしまいます。本人の志向性もありますし、適正も関係します。しかし、何より差がつくのは「経験から学ぶ力」によります。

経験から学ぶ力

「経験から学ぶ力」とは、自分の能力より少しばかりストレッチした経験に挑戦し、経験を振り返り、振り返りを通して成功要因、失敗要因を概念化し、試してみるという一連のサイクルを回すことです。このサイクルを回し続けられる人、回せない人で差がつきます。そもそも、ストレッチした経験にチャレンジする人もいれば、そのようなチャレンジを好まない人もいます。ストレッチした経験をしても、振り返れない人もいます。経験を積めば積むほど、価値観や判断基準が形成されます。自分の価値観や判断基準に沿って、振り返りの情報を取捨選択します。自分にとって好ましい情報は受け入れますが、耳の痛いスパイシーなフィードバックにはシャッターを下ろしてしまいます。またそもそも、歳を取ればとるほど、周囲にフィードバックをしてくれる他者が存在しなくなります。会社で働いて偉くなってしまうと、特にその傾向は顕著です。意識して社外にそのような存在を見つけるしかありません。他者からのフィードバックがなければ、新たな気づきも概念化もできません。

好きは最強

結局、その仕事が好きとか、やり甲斐があるなどの動機がないと、この経験学習サイクルを回し続けることはできません。好きだから、探究心や向上心が湧いて、経験学習サイクルを回すことも自然体でできるわけですから。適職に出会うというのは、本当に幸運なことです。