今日は部下育成の話をしたいと思います。このブログでも何度もお伝えしていることですが、人の成長の7割は経験が影響します。そのため、管理職は「部下にどんな経験をさせるか?」「経験した時に振り返りを支援することも大切」と書いてきました。今日は後者の振り返りの時の詳細について考えて見たいと思います。
先を見せる
部下との信頼関係ができているのが大前提ですが、部下の強みを把握し、部下に期待して、この仕事が部下のキャリアにとってどんな意味があるのかを伝えた後にしなくてはいけないことは、「先を見せる」ことです。これから部下が担当するストレッチな仕事の進め方やポイントを伝えることです。特にここは外してはいけないとい勘所については丁寧に説明すべきです。ポイントを伝えても本人的にはその場はイメージがわかないかと思いますが、仕事を進めていく中で、そう言えば上司が○○には気をつけろと言っていたなと思い出す時が来ますから。
シミュレーションを怠らない
部下に未知の仕事の見通しを伝えたら、具体的な仕事の「方法」や「やり方」をしっかりと教えてください。経験を積むだけでなく、できれば成功体験を積んでもらった方が成長には役立ちます。そのためにはインプットを1度はしっかり行うことです。私がよくやるのはシミュレーションです。営業時代であれば商談ロープレやプレゼンテーションを事前に部下にやらせて細かい部分をフィードバックしました。コンサルタントであれば企画書やレッスンプランを書いてもらって説明してもらうようにします。スポーツの世界でもよく言われることですが、練習のプレー以上の内容は、アウトプットできないのはビジネスでも共通です。部下が若手だときっちり指導しますが、中堅以上になると仕事のポイントだけ伝えて終えてしまう管理職は多くいます。でも、未知の仕事という点では若手も中堅も変わらないんですよね。「やり方は任せた」とか迂闊に言ってしまうと、部下本人も困りますし、せっかくの経験を積んでも浅い部分でしか振り返りができなくなります。しっかり1度は教えることで基準点が出来上がります。経験を積む時にこの基準点をどこに置くかで、振り返りを行う際の気づきも大きく変わって来ます。管理職は忙しいので、そこまで時間を避けないと思うでしょうが、大きな玉を転がすのをイメージしてください。一番最初が一番エネルギーを使います。それと同じで、未知の仕事の最初の経験サイクルを回すのが一番難儀します。でも回り出すと後は、軌道修正してあげるだけになります。