クマ坊の日記

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【人材育成】社員の当事者意識を醸成する方法

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「自ら問題意識を持って主体的に仕事に取り組むような人材を育成して欲しい」というご相談を頂くことが増えてきました。そんな研修があれば、我が社ももっと繁盛するのかもしれませんが、残念ながらそんなものはありません。今日は働く人の当事者意識の醸成の仕方について考えます。

当事者意識はどのようなメカニズムで生まれるのか?

当事者意識の文字通り、スタートは当事者すなわち自分起点から始まります。仕事が会社の為になるだけでなく、自分の為にもならないと人は動きません。昨今ではそれらに加えて、社会のために役立っているかどうかという視点も大切にする若者が増えてきているように感じます。遠い昔、1970年代から1990年代は、会社の成長=個人の成長がリンクしやすい時代でした。仕事頑張って会社が発展すれば、個人も昇進して給料もアップする。家族の生活も豊になる、そんな時代がありました。現在はそんな職場は絶滅危惧種です。当事者意識は、現在の仕事が自分の人生やキャリアにとっても、意味や意義があり、価値があるものだと、心の底から思える時でないと生まれません。

やり甲斐の源泉

それでは、現在の仕事に意味や意義をどのように人は見出すのでしょうか?それこそ、人によって心の琴線は異なるので一概には言えませんが、私は以下の4つの方向性で考えています。

  1. 仕事自体が面白い
  2. 人から感謝される
  3. 仕事が得意
  4. 飯が食える

このうち最低二つ。できれば3つ以上で充足できると当事者意識が高まってきます。この四つが揃っている人は稀ですし、一個も当てはまらない人も多いと思います。

どのように働きかければいいのか?

4項目のうち、1つも該当項目がない場合は、人から感謝されるからスタートするのがお勧めです。あなたが管理職であれば、まず感謝することから働きかけましょう。普段、感謝や労いの言葉一つ発していないのであれば、それだけでも大きな違いになります。ただ、毎回、感謝の言葉を発するだけでは駄目です。心の底から感謝が必要です。その為にはメンバーをよく観察して、具体的に感謝することです。次はメンバーの腕前を上げる支援をしましょう。メンバーの特性を見極めながら、比較的短期間で習得できそうなスキルから指導してください。人の成長スピードは千差万別であることを肝に命じて、期待せずでも諦めない姿勢で支援してあげてください。出来る事、得意な事が増えると、メンバーの視野は自然と広がります。次のステップは仕事の面白さを体感させること。成功体験を積ませてあげてください。最初は、メンバーに下駄履かせて、風船をカラダにくくりつけて飛ばすぐらい手厚い支援してもOKです。とにかく成功体験を積ませることです。ここまでくれば、メンバーの当事者意識はだいぶ高まっているはずです。最後にしっかり評価してあげてください。給料や賞与で報いるだけでなく、プラス、マイナスのフィードバックを行ってください。今後の期待や課題についても忘れず伝えてください。このサイクルを一度回せば、メンバーは当事者意識を持って働いてくれるはずです。

見守り、自らも成長する

当事者意識を醸成できたからといって、そこで安心してはいけません。メンバーの仕事ぶりを観察してコミュニケーションの頻度を怠らないこと。植物だって、水や光を与えなければ枯れてしまいます。人はもっと繊細です。また、管理職自身も成長することも大事です。新しい仕事に取り組んでみることです。大変の中にも、やり甲斐を見出して仕事している上司の姿は、メンバーへ良い影響を与えるのは明らかです。