マネジメントを進める上で最も大切なのは、メンバーからの信頼です。信頼が獲得できなければチームとして、組織として成果を掴むことはできませを。今日は信頼について考えてみたいと思います。
信頼を獲得するために必要なこと
リーダーシップ研究の中で、「信頼」に関しても数多くの先行研究が発表されています。それらの内容を見ていると、概ね以外の6つが重要だと言われています。
- 有能である
- 誠実である
- 慈悲深い
- 開放的である
- 公正である
- 一貫性がある
有能である
まず有能であるとは、職場の目標達成や問題解決に貢献できる能力を持っていることです。上司がいくら良い人であっても、能力にかけていれば、職場において信頼することは難しいでしょう。毎回、完璧である必要はありませんが、メンバーが本当に困っている時や、職場で成果をあげるためにここは避けて通れないという時に力を発揮できない上司はメンバーから信頼を獲得することはできないでしょう。信頼とは他者に安心して身を任せられる心理状態のことを指すわけですから。
誠実である
でも、有能であれば信頼できるかと言うとそんな簡単な話でもありません。仕事が有能でも、性格が嫌らしい人っていますよね。そのような上司がメンバーから信頼を獲得することできません。相手が誰であっても、正直に話しをし、誠実に対応する人でなければ信頼は獲得できません。
慈悲深さ
慈悲深さも最近の信頼の研究では注目されているキーワードです。メンバーが困った時に関心を示し、勇気づけし、メンバーのプライベートや家族の幸せまでに関心を示すような人物です。最近はこのような管理職は少なくなりましたが、昭和の時代にこういうタイプの上司も多くいたように思います。
開放的である
経営の神様と呼ばれた松下幸之助は、リーダーの素養で愛嬌があるをあげています。管理職は難しい意思決定を迫られる場面がでてきます。そんな時も眉間に皺を寄せて難しい顔をする人よりも、正直に自分の感情を吐露する人に周囲は惹かれます。誠実さにも通じる点がありますが、考えていることや、何故そのように意思決定したかを、無理に隠さず伝える上司にメンバーは信頼を寄せます。
公正である
これは最も難しいかもしれません。職場では人事評価の場面で試されます。自己評価はみんな高くつけがちです。なかなか上司とメンバーの評価が一致するのは難しいです。ただメンバーが公正さを感じるのは、評価結果だけではありません。むしろ、評価のプロセスで公正さをメンバーが感じられるか。職場の中で敬意を持って接せられているかどうかも信頼を獲得する上では大切です。ポイントはあくまでメンバーが公正さを感じているかどうかです。多くの管理職は自分は公正に接していると考えていますが、ここでも自己評価は高くつけがちです。
一貫性がある
意思決定の際に、一貫した信条や価値観に基づいて判断しているかどうかです。仕事なので個別の事象に関しては妥協しなくてはいけないケースも多々あるかと思います。でも、初めから考えなしに妥協するのと、基本となる信条や価値観がある中で、結果として妥協するのでは大きく周囲に与える影響は異なります。一貫性がある上司は応援したくなるし、ついていきたいと思わせるものです。
最後は行動の積み重ね
これら6つの要素を心掛けていますと主張しても、周囲からの信頼を得ることができません。ひとつひとつ実践を積み重ねる他ありません。ローマは1日にして成らずなわけです。