クマ坊の日記

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【マネジメント】リモートワーク下の組織作り

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2月になると、企業内で来期の組織体制が明らかになってくる頃です。組織は目的に応じて機能的に作られます。もの凄く合理的に考えられる反面、経営者の想いも反映しやすく情的である側面もあります。人材の配置なんかみると透けて見えますよね。さて、そんな組織ですが机上ではいくらでも描けますが、本当に機能させるのは大変です。今日は、古典「孫子の兵法」からリモートワーク下の組織作りについて考えてみたいと思います。

孫子曰わく

兵士たちがまだ将軍に対して心を一つにして親しんでいないのに、彼らを処罰したりすれば、彼らは命令に心服しない。心服しなければ、いくら命令しても、思い通りに働かせづらい。だが一方、兵士たちがすでに心を一つにして将軍に親しんでいるのに、断固とした処罰が実行されないままでいれば、軍隊は役に立たない

これは、孫子の兵法の行軍篇で謳われている一節です。当時は春秋戦国時代。軍隊の組織作りは生死に直結する課題でした。ビジネスよりも深刻な話なわけです。孫子はそんな組織づくりにおいて、優しさと厳しさのバランスが大切であると主張しました。権力や権限があっても、メンバーからの信頼がなければ面従腹背になるだけである。だから、まずはメンバーからの信頼を獲得することの重要性を説きます。その一方で、甘すぎるるとそれはそれで規律が保たれなくなるとも指摘します。

 

管理職の立ち振る舞い

結局、組織を動かすためには理解と納得を積み上げていく他ありません。具体的には管理職の一つひとつの日常の立ち振る舞いになります。リモートワークだと、この辺が見えにくくなるので、管理職は余計に大変です。部下との距離感は対面よりわかりにくいし、部下の仕事状況が分からず仕事の指示も出しずらい。。。一緒の職場で仕事していれば意識しなくても自然と情報が入ってきたわけですから、そのギャップはありますよね。

 

自ら情報取りにいく

嘆いていても仕方ないので、管理職は自ら情報取りにいく他ありません。だだ勘違いしちゃいけないのはマイクロマネジメントをする事ではありません。細かく管理しても管理しきれませんし、孫子も信頼関係がない状況で厳しくしても効果がないと言っています。具体的には個人面談の時間を設定していくことです。頻度は仕事にもよりますが、月2回か3回ぐらいでしょうか。一回あたりは1時間ぐらい。業務に関する内容はもちろんですが、メンバーの状況についても話をよく聞くようにします。

 

指示は明確に

これはリアルの仕事でも同じなのですが、アウトプットの状態や納期などに関しては、上司から具体的に指示する必要があります。これまでは、曖昧でも職場で気軽に確認することができましたが、リモートワークだとメンバーから些細な事で呼び出すのを躊躇います。躊躇うことなく気軽に聞ける間柄が理想ですが、そのような関係を築くのには時間がかかります。かと言ってメールに文章にすると、表現しづらかったり、ニュアンスが伝わらなかったりしますから。

 

Slackやbacklogを使う

最近は、便利な管理ツールが沢山でてきました。他のメンバーの進捗状況を共有するのに重宝しています。ただこれらの管理ツールだけだと、仕事面しか把握できません。メンバーのモチベーションやタスク以外に関わる悩み事など大なり小なり抱えているので、人の側面についてより配慮することが求められます。

 

フィードバックを行う

リモートワーク下で、個人面談を月2回〜3回設定すると良いと前述しましたが、そのうちの一回はフィードバックの機会とするのがお勧めです。本人に仕事を振り返らせた上で、プラスのフィードバック、改善点のフィードバックを行います。フィードバックする際は、「私はこう思う」と一方的に話すのだけではフィードバックになりません。上司としては一生懸命にフィードバックしているつもりですが、メンバーには響かないかもしれません。フィードバックの際はどんな場面で、メンバーの具体的な仕事ぶりに対して、自分がどのように受け止めたかを伝えなければかりません。状況と行動の情報を加えるだけで、受けての印象は変わります。

 

問題社員への対応

リモートワークになってパフォーマンスが落ちているメンバーもいるかと思います。フィードバックをして改善を粘り強く支援しながらも、行動が変化しないのであれば、配置転換等、厳しい選択の必要もあるかと思います。一番駄目なのは、問題があると分かっていながら放置することです。頑張ってくれているメンバーにも申し訳ないですし、組織のモラルが維持できなくなりますから。