大手企業には面白い仕事を担当している部門があります。最近、出会ったのは未来予測を専門としている部門です。未来予測はシンクタンクやコンサルティングファームがするイメージがありますが、普通の会社でもこのような部署が誕生しています。今日は未来洞察について考えてみたいたと思います。
洞察できる未来
小さい頃、ドラえもんのタイムマシンやバックトゥザフューチャーのデロリアンには憧れを持ったものです。そんなものは当然世の中にはありません。もちろん未来を正確に予知することはできません。コロナがこれほど猛威を奮うとは誰も分かりませんでしたよね。ただ、世の中には情報が溢れていて、未来がこっち方面に行きそうだぐらいは予測が可能です。
未来洞察の手順
1人でゼロから考えるのもいいですが、ビジネスパーソンが1人で考えるのは効率が悪いです。また、多くの人の意見を集めた方が予測の精度もあがります。世の中にはお金をかけて調査された立派な資料が無料で公開されています。これを使わない手はありません。困るのは情報が溢れていることです。どのような順番でどの情報にあたっていくかの原則を知っておくと便利です。
- 国家ビジョンをまずは理解する
- 委員会・審議会から未来を想起する
- 規制の観点からチャンスを広げる
- 国内外のスタートアップを知る
- ディスラプター(業界破壊者)を理解する
- 未来のシナリオを描く
国家ビジョンを理解する
好き嫌い、支持する支持しないに関わらず国家のトップのビジョンを理解することがスタートになります。安倍さんも、菅さんもビジョンを掲げてましたね。困ったのは岸田さんは掲げていないんですよね。自民党の総裁選の時は、「令和版 所得倍増計画」を発表していたのですが、いつのまにか引っ込めてしまいました💦新しい資本主義というワードは出ていますが、具体的な方針がまだ出てきていません。今後は注目です。
委員会・審議会から未来を想起する
私がよく参考にしているのは、内閣官房や経産省の委員会や審議会です。お金と人と時間がふんだんに使われています。国がどの分野に力を入れようとしているかが纏められています。特に図解されている資料は目を通しておくと良いです。図解しているということは、重要なポイントだから、分かりやすく表現しているからです。また、委員会や審議会のメンバーに誰が呼ばれているかも注目するといいです。そのテーマの有識者が呼ばれるわけですが、書籍やSNSをチェックするようにします。
規制の観点からチャンスを広げる
規制の周囲にはチャンスが転がっています。ちょっと前だと、人材育成の仕事に大きな影響を与えたのは、働き方改革です。規制に関しても政府のホームページでどんな議論がされているかが掴めるのでチェックしておくことをお勧めします。
国内外のスタートアップを知る
国内外のスタートアップに着目するのもお勧めです。先程の規制とも関連しますが、規制緩和で新たなビジネスチャンスが出現しても、マーケットの規模が余程大きくないと大企業は動けません。小回りが効くスタートアップの企業が有利です。国内外でどんなスタートアップが元気いいかは見ておくといいです。
業界破壊者を理解する
もうこれは常識ですが、ある日突然、業界破壊者がやってきます。正確に言えば、当人だけが気づかないわけですが。ブログでも以前書きましたが、コロナの影響で中期経営計画を新たに作成している企業がほとんどです。内容を見ると業界を越えた計画が増えている印象です。これからの五年ぐらいは、業界の壁を越えた合併のニュースが増えるはずです。常に自分以外の業界についてもアンテナを張ることが大切です。
最後は自社の強みと原点
未来の方向性を洞察しても、最後のシナリオをつくるのは会社ごとです。流れに乗るのか、逆に貼るのか。自社の存在価値は何なのか?自社の強みは何なのか?それらを考えながら意思決定していく他ありません。