コロナで企業を取り巻く環境は大きく変わりました。企業で働くビジネスパーソンの考え方や価値観にも大きな影響を与えています。10年先だと想定されていた変化がコロナという加速装置によって一気に訪れたように感じています。今日は、コロナ後の経営変化を人の側面から考えてみたいと思います。
目に見える変化
1番分かりやすいのは、リモートワークに代表されるように働き方が変わります。コントロール型のマネジメントが益々難しくなってきます。メンバーがどのように仕事しているか見えないんですから。ビジネスモデルも変わりつつあります。ビジネス界隈では、DX祭りが絶賛開催中です。また、今までは考えられなかったような提携やM&Aも増えてきます。例えばトヨタとソフトバンクが組むなんて、ちょっと前では考えられませんでした。経営のやり方も文化も全く異なる2社ですから。それだけ、従来のやり方では生き残っていけないと考えている証です。ビジネスと言うゲームのルールが変わっていると言う話です。このルールの変更は当事者からすれば気づくのが難しいものです。過去、コダック社はデジカメの技術を保有していたのに、フィルムからデジカメの変化を予測することはできませんでした。当時の経営者が馬鹿だった訳でなく、寧ろ高学歴で優秀な人が経営に何人もいても分からないものなのかもしれません。話が横道に逸れましたが、企業の経営が大きく変化しているのですから、求められる人材も変化しています。
働く人々も変化している
企業側が変化しているように、働く人々も変化しています。働き方や雇用形態も副業やフリーランスなど多様化しています。また、特に私が感じているのは価値観や仕事観の変化です。ライフワークバランスと言う言葉が生まれて久しいですが、ワークよりもライフを重視する人々は今後益々増えていくでしょう。また、少子高齢化、生産年齢人口の減少により、働き手自体も少なくなっています。人材は質も量も確保するのが大変な時代に突入したわけです。
ピープルマネジメントの巧拙で差がつく時代に
外部環境が大きく変化し、働く人々の価値観も多様化している。マネジメントするのがますます難しい時代に突入したように見えます。職場の遠心力は加速する一方です。従来のような指示命令型では通用しないのはもちろん、私がこのブログで書いていることでも不充分です。よりデータに基づいたマネジメントに移行していくでしょう。メンバーひとりひとりの、職務経験、スキル、適切などのアセスメント結果、本人の自己申告、人事考課記録などなどに基づいてマネジメントを行うようになるでしょう。管理職は携わる仕事だけでなく、育成や動機付けや心理学など、ピープルマネジメントにも精通することが求められるでしょう。大変な時代になりますが、働く側にとっては良い未来です。従来は人の気持ちはそれほど重要視されませんでした。辞令一つで、どこにでも転勤しどんな仕事もこなしていくのが企業戦士でした。現代なのに、会社と従業員の関係はどこか封建時代の主従関係を想起させる部分もありました。しかし、今後はより対等な雇用関係に変化していくように思います。