クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】学習スタイルは人によって違う

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前回に続いて人に教える時の原理原則について説明します。過去、教える前に受講者について事前に分析することの重要性をお伝えしました。受講者に学んで欲しいことなのか、受講者が学びたいことなのか、「に」と「が」で一文字違うだけで大きく異なります。今回はもう少し詳細に解説してみたいと思います。

 

学習スタイルは3つの観点から分析する

人によって学び方は異なります。大きく3つの視点から整理すると分かりやすいです。

  1. 情報をどのように理解するのか?
  2. 何を学びたいのか?
  3. どのように学びたいのか

 

まず、一つ目の「情報をどのように理解するのか?」は、新しい事を学ぶ際にどのように情報を蓄積するのが好きかと言う事です。「具体的タイプ」と「大枠タイプ」がいます。具体的タイプの特徴は、情報が系統だって構成されているほうが受け取りやすい。情報がロジカルに整理分類されていてどう進んでいくかが見える形になっている方が安心して学べる。大枠タイプは、ざっくりと全体像を掴んで、自分の必要な情報を好きなようにアレンジするのを好みます。細かく順次立てて指示されると窮屈に感じます。

 

二つ目の「何を学びたいか?」は「新しい情報を知りたいタイプ」と「すぐに使えるスキル」を知りたいタイプです。前者は文字通り新しい情報や自分の知らないことを獲得することに楽しさを感じます。後者は情報とかいいから、明日から使えるスキルを獲得する事を重視します。ダイエットであれば、すぐに簡単に痩せれる体操を覚えたいとかです。

 

三つ目のどのように学びたいかは、「参画型」か「考察型」です。前者は他社との対話を通して新しい事に気づいたり腑に落ちたりするタイプです。後者は受け取った情報をまずは1人で考える時間を必要とします。

 

学習スタイルにあわせて、学びをデザインする

独学の学びが上手な人は、自分の学びのスタイルを感覚的に捉えている人だと思います。研修とか1対複数で教える時は、様々な学びのタイプを意識した学習の設計をします。無難なのはどのタイプもバランスよく入れ込むことです。面白いことに、この学び方は企業や職種で似る傾向があります。だから、リピートで何度も研修させてもらうと、より受講者にフィットした学びを提供することが可能です。もっともそこまで意識して、教育の場を設計できる人は日本では少数ですが。教える側が気をつけなくてはいけないのは、自分自身にも学習スタイルの癖があるということです。自分の学習スタイルの好みを押しつけないらように気をつけるべきです。

研修でよくある誤解

企業で研修を実施する時、人事が事務局として立ち合います。休憩時間中に、「クマ坊先生、Aグループはよく発言していいですね。Bグループは発言が少なくて消極的ですね」と言われる事があります。要はもっと盛り上げてくださいと言う要望だったりするのですが💦 安易に二つ返事はしないようにしています。何故ならBグループのメンバーの学習スタイルが「考察型」が多い場合もあるからです。むしろ、討議を始める前に、自分で考える時間がもう少し欲しいなんていう不満があるかもしれないからです。