クマ坊の日記

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【ビジネススキル】勝てる企画書とは

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私の生業は企業の人材育成です。新入社員研修とか管理職研修とかが一般の人はイメージしやすいかもしれません。人材育成の業界は12月から1月が書き入れ時です。多くの企業が翌年度の人材育成計画を立案するからです。研修事業は3蜜の際たるものなので、コロナでマーケット自体は縮小しています。でも、コロナだからといって人材育成の課題が消えてなくなるわけではありません。有難いことに多くがリピート案件ですが、コンペ案件ももちろんあります。ただ、正直あまり負けたことがありません。特に案件が大型になればなるほどです。今日は勝てる企画書について考えてみたいと思います。

 

勝負はRFPが来た時点で6割は決まる

RFPとはRequest for Proposalの略です。お客様からこんな内容で提案して欲しいという提案依頼書になります。人材育成に必要な要件やゴールイメージなどです。RFPが来た時点で勝負の6割は決まります。どういうことかというと、RFPが出るまでにお客様と人材育成課題について濃密な対話を私は行うようにします。つまり、RFPはお客様が自ら考え作成するのですが、その考えに影響を与えられるかどうかが重要になります。人の成長は時間がかかります。レンジでチンのように一朝一夕には実現しません。だから普段からお客様と対話をすることが重要になります。孫子も「百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり」と話しています。戦わないで勝つのが最上の策ですから、コンペに持ち込ませない、コンペに持ち込んでも自分の土俵で勝てるようにしておくのが私の高勝率の秘訣です。

相手の立場で考える

コンペに持ち込まないことが一番ですが、当然そうでないケースもあります。そのような場合は企画内容が大切になります。ただ、企画で差別化を図るのは相当困難な作業です。何故なら企業の人材育成は、形があるわけではないのでお客様も違いを認識しにくいわけです。形のある商品であれば、例えば車であれば中古の軽自動車と高級外車であれば価値はわかりやすいですよね。企画で差がつきにくいので、いかにお客様の企画に寄り添っているかを大切にします。それにはできる限り、お客様の問題意識をできる限りヒアリングするようにします。そしてその内容を企画に盛り込んでいきます。ただし、企画に盛り込む際は、ヒアリングしたことをそのままは書きません。半歩先ぐらいの視点だったり、アプローチの仕方だったり、考察を交えるようにします。「流石に人材育成のプロだ!」と言わしめるのが理想です。この半歩先がミソでして、あまり最先端すぎても実現可能性の点で弾かれてしまいます。お客様の期待値の半歩先を見極めるのがセンスや経験値かもしれません。

 

企画書はシンプルにロジカルにエモーショナルに

企画内容が固まったら、それを企画書上に表現しなくてはいけません。駄目な企画書は文字数が多いものです。企画する側は、企画書がお客様の社内で一人歩きしても誰でも分かるように情報量を多くしがちです。でも、文字量が多い企画書をお客様は読みたがりません。特に決済権者である上位職になればなるほど。いかに難しいことを平易に書くかが基本です。また、誰でも分かるように構成はひたすらロジカルに。忘れていけないのは、相手の感情を揺さぶるようなスライドを入れることです。具体的には写真を私はよく使います。何故なら、社内の人間であれば共通認識できる事でも、社外の人間が話す時は相手の琴線に触れないと聴いているほうは共感できないからです。

ただ一番理想は、ホワイトの背景のスライドシンプルな文字で構成された企画書です。いい企画書はいつだってシンプルなんだと私は思います。