クマ坊の日記

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【マネジメント】心理的安全性は平和なのか?

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先日、お世話になっているクライアントから、私にこんな依頼がありました。「我が社もリモートワークを進めています。会議も全てリモートなのだがイマイチしっくり来ない。一度、クマ坊さんにも参加して貰ってフィードバックしてもらいたい」とのことでした。リモート会議の専門家ではないのですが、第三者からのフィードバックが欲しかったのでしょう。

 

 

言いたいことが言えない会議

その会議の参加人数は100名強。1人一台パソコンがあり、参加場所は会社や自宅でまちまちでした。オンライン会議の画面を見た第一印象は、みなさん似たような色彩だないう点です。画面が黒かったのです。自宅から会議に参加されている男性社員は全員スーツにネクタイ。女性はスーツではありませんでしたが、数が圧倒的に少なかったので目立ちませんでした。不思議に見えたので、「御社は社内のオンライン会議でのドレスコードはスーツやネクタイ着用が決まっているのですか?」とお尋ねしました。担当者からの回答は、そんなルールはないとの回答でした。もちろん、ビジネスですし、会社の会議ですからスーツを着ているのは変な話ではないのですが。。。私からは少し奇異に感じました。何故なら、会議の冒頭、担当役員からは「自由闊達な対話を本会議には期待する」とも発言がされていたからです。私には自由闊達とは程遠い雰囲気で、忖度しまくりの企業文化に映りました。また、その光景を見ても違和感を感じない経営幹部はいかがなものだろう?と強く感じました。

 

自由闊達な会議とは

近年、心理的安全性と言うキーワードが注目を浴びています。私も本ブログでよく取り上げています。心理的安全性が注目されるようになったのは、Google社が心理的安全性は成功するチームの構築に最も重要なものであると発表したのが契機のように思います。Google社自体も初めからそのような文化であったわけではなく、1兆ドルコーチの故ビル・キャンベル氏が大きな影響を与えました。ビルさんはアメフトのコーチでした。チームというのを非常に重要視しています。さて、話が脱線しました。心理的安全性は文字通り「どんな発言をしても、チームのメンバーに受け入れられるという確信を本人が持っている状態です」

これまで、多くの日本企業は個人の意見よりも組織の方針が優先でした。そもそも組織がピラミッド型の階層であり、ビジネスコミュニケーションは上位下達になりがちです。しかし、環境が変化し従来のビジネスでは立ちいかなくなってきたため、異なる価値観、多様性が求められるようになりました。その文脈の一つとして心理的安全性にスポットライトが当たるようになったと私は理解しています。

 

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心理的安全性は平和なのか?

言葉だけ見ると、安心して自分の意見が言えるから平和そうな感じがしませんか?私のチームは心理的安全性が比較的担保されているように思いますが、そうするとメンバーは自由に発言します。本当に自由に。側から聞いていると、「何でそのキャリアでそんな発言する?とか」「なんで、そんな仕事の進め方する?」なんてイライラすることがよくあります💦 でも、私が心理的安全性を大事にするのは、1人では考えもしなかったようなアイデアが出てきたり、アイデアが次々に繋がって素晴らしい仕事ができたりするからです。心理的安全性はメリットも多いですが、管理職や経営幹部は相当、腹を括ってやらないと痛い目にに合うと思います。