昨今、マネジメント界隈でバズワードとなっている言葉の一つに、「心理的安全性」があります。今日はこの言葉について考えてみます。
心理的安全性
心理的安全性とは、ハーバード・ビジネススクールの組織研究の第一人者、エイミー・C・エドモンドソン教授が作った言葉です。「自分のアイデアや質問、懸念、間違いを話すことで、罰せられたり、恥ずかしい思いをさせられたりすることはないという信念」を意味します。
何でも話し合える職場?
先日、営業マネジャーと雑談をしていました。彼は現在のチームは何でも話し合える雰囲気であることを嬉しそうに語ってくれました。管理職自身が自分のマネジメントに手答えを感じていることは素晴らしいと感じました。ただ、老婆心ながら「管理職自身が、何でも話し合える雰囲気と言わない方がいいと思うよ」と冷や水をあびせてしまいました💦 職場は様々な人間関係や役割立場があります。何でも話し合えるているように見えるのは、一部分に過ぎないように思います。特に部下は上司の事を信頼していたとしても、信頼しているからこそ話せないこともあるかもしれません。
心理的安全性は信念がキーワード
エドモンドソン教授は前述した心理的安全性の最後に信念という言葉を使っています。これは非常に重要なキーワードです。心理的安全性がバズワードになってから、話しやすい=心理的安全性と誤って認識してる人もいるように感じています。心理的安全性は決して仲良しクラブではありません。お互いのミスは積極的に指摘しあえるような状態です。実際に、心理的安全性の高いチームは、低いチームと比較するとミスが多いという傾向も見られます。ガンガンお互いにフィードバックするから、小さなミスを見逃さないわけです。出て来たミスを改善して大きなミスに繋がらないようにしたり、逆に成功に導いたりできます。
その為には、メンバー1人ひとりが心理的安全性を信じ込めるかどうかが重要になります。「何でも質問できる」「弱さや間違いを曝け出せる」「どんな意見を言ってもいい」「現状の批判も歓迎される」これらを信じ込めるかどうかです。
本音で自分らしく表現したり、場の空気を読まない発言であっても人間関係が悪化しないと信じられる状態を作り出すには相当な覚悟がいります。管理職の考え方、所作、言葉にメンバーは影響を受けることを肝に命じなければいけません。
私自身はそのような事を大事にしつつも、メンバーが話せないこともあるというスタンスでマネジメントしています。人間は不完全な生き物だから💦