クマ坊の日記

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【マネジメント】心理的安全性は自分次第

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アンジェ・ポステゴグルー監督

管理職の研修等で心理的安全性について説明すると、当然、受講者はどうしたら自職場で心理的安全性が作れるかに関心が向かいます。極めて簡単だけど、実践するのが何故難しいかを考えてみたいと思います。

 

 

心理的安全性に影響を与えること

心理的安全性を担保したいと思ったら、まずは心理的安全性はどのような事柄に影響されるかを理解しておかなければいけません。最悪なのは、経営や管理職が「この会議は心理的安全性を確保されているから、自由に意見を期待する」と言いながら、メンバーは誰もその言葉を信じていなかったり、自由に意見を言ったら後で返り討ちにあったり、背後から刺されたりする事です。これは、心理的安全性というキーワードに酔っているだけで、その本質を理解していないと発生してしまいがちです。

さて、心理的安全性に影響を与えるのは3つあると覚えておいてください。

  1. 自分の行動、言動
  2. 組織文化
  3. 構造

まずは、本人の行動、言動です。職場でも本音で話せる人、話すない人がいますよね。きっと相手も同じように感じています。普段からどれだけ信頼される行動や言動を積み重ねられているかです。特にトラブルに巻き込まれたり、切羽詰まった時にも、行動、言動が変わらない人は信頼を獲得することができるでしょう。逃げたり、誤魔化したり、約束を破ったりすれば、心理的安全性なんて言葉を使った時点で胡散臭く見られるます。

次に影響を与えるのは、組織文化です。いくら個人的には何でも言える間柄だとしても、職場のオフィシャルな会議では話せないと言う場合もあります。その組織に連綿と継続している暗黙の了解、不文律、大切にしている事などが、自由にモノを言えない雰囲気を作ります。

最後に最も強固なのは構造的なものです。例えば商売で買い手の交渉力が強い場合、売り手はモノを言いずらいでしょう。一般社員が経営陣に対してもモノは言いづらいです。半沢直樹のような猛者はいないですよね💦

つまり、一口に心理的安全性が確保されている職場を作るといっても、どこからアプローチするかで全くやり方は異なると言う事です。

 

過去と他人は変えられない

賢明な読者であれば、何から変えていくべきか分かりますよね。自分と未来にフォーカスするしかありません。首根っこ捕まえても、いくらポジションパワーを使っても、過去と他人は変えられません。自分自身の行動と言動を変えることによって信頼が集まり、結果として心理的安全性が保たれた関係性を築くことができます。権力を使っても、金を積んでも得ることはできません。

 

組織文化にアプローチできるのか?

私が愛する横浜F・マリノスは超攻撃的なアタッキングフットボールを展開します。出場する選手が誰であろうともです。しかし、元々の組織文化は堅守の文化です。井原、松田、中澤、川口と日本代表の守備を支え続けてきた選手を輩出してきたチームです。古株のサポーターも1対0で守り勝つようなチームスタイルに誇りを感じていました。そのスタイルを一変させたのがアンジェ・ポステゴグルー監督です。彼以前にも攻撃的サッカーを標榜した監督は大勢います。でも、組織文化を変革できたのは彼1人だけでした。何故、彼だけ変革に成功したのでしょうか? 本人から聞いたわけではありませんが💦 軸がぶれない、行動に着目する、良き観察者であるの3点だと思います。1点目の軸がブレないのは中々貫くのか大変です。大抵は何処で妥協します。妥協しないと全てか折り合わないし、チームとしてバラバラになると感じるからです。横浜F・マリノスもポステゴグルー監督の一年目は結果が出ずあわや降格と言う順位まで落ちました。しかし、監督の方針は全くブレませんでした。2点目は行動に着目するです。京都に移籍した李選手がYouTubeで話していましたが、横浜F・マリノスのミーティングは世界一と賞賛していました。映像を使いながら、良かった行動を賞賛します。そして監督が指摘した通り認知改善すると、点が入るように、チームが勝てるようになりました。組織文化にアプローチする際に、理想の型で結果がついてくる事は大切です。メンバー自身が変化を感じられなければ、監督について行こうとしませんから。最後が良き観察者である事です。試合でも、練習でもアンジェ・ポステゴグルー監督はよく観察しています。些細な変化点を見つけるのが得意なのでしょう。だから、選手個々の行動についてもフィードバックできるのだと思います。

皆さんも、企業勤めの経験がある人は上司が変わった途端、仕事がやり易くなった経験もあるかもしれません。つまり、心理的安全性が保たれた職場にしたかったらまずは、自ら行動を起こす。次に組織文化に働きかけるというのが王道です。