クマ坊の日記

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【ビジネススキル】風姿花伝に学ぶプレゼンテーション

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世阿弥が書いた世界最古の芸術論を取り上げています。今日は具体的なテクニック論です。ビジネスパーソンからすると、社外でのプレゼンテーションで使えるような技が描かれています。

 

 

プレゼンの前の状況を見れば、その日の成否が分かる!

世阿弥は演目前の舞台の状況を見れば、その日の舞台が分かるといいます。必ず成功するのは、大勢の観客が詰めかけ、会場がざわついてる時は、観客が静かになるまで待ってから登場すれば何をやっても上手くいくといいます。社内外のプレゼンテーションでも、雑談等でざわついてることはありますよね。緊張してると、早くプレゼンテーションを終えたいのでいきなりスタートしてしまう人がいますが、一呼吸おくだけでも印象はかなり変わります。 

一方、タイミングよく登場できるのは少ないかもしれません。偉い人が早くきてしまい、まだ観客が集まる前に開演しなければならない時もあるといいます。世阿弥はそんな時は第一声を張り上げ、いつにも増してメリハリのある動作を心がけるのが良いと説きます。立ち振る舞いを際立たせることで、観客の耳目を集め、観客を舞台に集中させることがらできます。プレゼンテーションの第一声も同じで大事です。周りが聴く姿勢ができていればいいですが、そうでない場合は、最初の発声は極めて重要になります。会場、聴衆の状態を観察して、相手に合わせた芸の幅を持つことが大切だとしています。

 

序破急

この言葉だけでも覚えておくと為になります。世阿弥は何事も「序破急」が大切だとしています。序は掴みですね。能では序には格式高い原典に由来する演目を持ってきなさいとしています。そしてポイントはおめでたい能でなければいけないそうです。破はメインなので得意な能を。最後の急はまとめなので、文字通り、動きにスピード感がらあり、様々な動きを取り入れた演技をしなさいとしています。序破急をプレゼンテーションに置き換えると、序は掴み、破は本論、急はまとめになります。

 

コンペに勝つ極意

能には複数の役者が交互に競演し、その芸の優劣を競う「立ち合い」というものがあります。世阿弥は勝つためには、演じられる能の種類をできるかぎり多く揃えることだといいます。対戦相手が繰り出す能とは異なる能がぶつけられるようにしとくためです。また、自分で作品を作れるようにしておくと尚良いとしています。何故なら、能の多くは作者と演技者が別々であることが多いためです。別々ということは、どんなに上手な役者でも、意のままに演じることは難しいということです。自分のオリジナルの作品を持っていれば、意のままに演じることができる武器が増えるということです。また、作品を作る力があれば、演技にも幅がでて臨機応援に立ち会えるということです。仕事で言えば、話し方だけでなく企画の内容自体を自分で考えられるか、それまで企画を考えた数が、いざという時のライバルの差に繋がるということです。

 

鑑識眼も影響する

通常、ベテランであればあるほど演目のレパートリーは、若手より多いはずです。そうであれば、「立ち合い」ではベテランが有利なはずです。しかし、実際は若い役者に、簡単に負けてしまうことがあります。先ほど「立ち合い」に勝つ極意を語っているというのに?このことについて世阿弥は「時分の花」のせいだと説明します。時分の花とは若い役者のほうが、新鮮味があるためです。そして、これはお客様の鑑識眼に起因するといいます。鑑識眼があるお客様が見れば、本当に力があれば若い役者にも負けることはないといいます。逆に若い役者の時分の花に負けてしまうということは、ベテランの役者の花は散っていることを自分で気づいていないのだと言います。

これはビジネスパーソンにも当てはまることです。ベテランになればなるほど経験は増えるわけでですから、テクニックは若手より増えます。しかし、その仕事の本質を理解せず、テクニックだけ増えてしまうベテランはいます。このテクニックの中身は純粋なスキル以外にも、社内での仕事の進め方も含まれます。社内では通用しても社外では全く使えないなんてケースも多いように思います。

また、現代は経験をしていることが逆に不利に働くことがあります。デジタルに関しては、経験や前例が足かせになることがあります。もっとも仕事の本質を掴めていればデジタルだった対応できるんですけどね。

 

まだ、風姿花伝に関して伝えたいことがあるので、次回もこの本絡みで記事を書きたいと思います。

 

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