クマ坊の日記

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【人材育成】硬直化した固定観念ほど成長を妨げるものはない

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人材採用の仕事に長く携わっていると、モノの見方、考え方ひとつで人の成長は大きく変わるということです。たったそれだけの事なのですが、これが極めて難しい。今日は固定観念と人材育成の関係について考えてみたいと思います。

変化を恐れる人、楽しめる人

初めての仕事を担当する時、「この仕事、私にできるだろうか?」と不安に思う人と、「是非やってみたい」と意欲的な人がいます。両極端に分かれるのは、それまで培ってきた経験とそこから導きだされた考え方に起因します。生物学的人見たら、不安を感じるほうが正解です。不安を感じるから、用心し、私たちのご先祖はそうやってからこそ生存してきました。しかし、成長という視点からみる見方が180度違ってきます。後者の「是非やってみたい」の方がより成長できる確率は高いです。この人の心の持ちようと成長について研究したのが、認知心理学者のキャロル・ドゥエック教授です。変化を恐れる人は、「努力しても自分は変わらないのではないか」と考えます。一方、変化を楽しめる人は「努力すれば自分はいくらでも変われる」と考えます。前者をfixed mindset、後者をgrowth mindset とドゥエック教授は主張しました。私がこの考えを知った時は衝撃を受けたし希望も感じました。

 



硬直化した固定観念ほど成長を妨げる

一般的に歳を取ればとるほど人は変わらないと考えられています。実際、職場を見渡してみると成長できない、変われないベテラン社員を多く見られます。しかし、少数派ではありますがベテランになっても変化できる人、成長できる人が存在します。

私の亡くなった祖母も88歳から華道を習い初めて賞を受賞していました。祖母は中学までしか卒業しておらず、勉強や習い事は得意ではありませんでした。しかし、そんな祖母は人一倍好奇心が旺盛で明るい人でした。常に人が集まってくるような人でした。今、振り返ってみると祖母はgroth mindsetの持ち主であり、能動的に他者や出来事と関わっていくことを楽しめる人だから、歳をとっても成長できたように思います。生前、祖母が話していたのは「戦争を生き抜けたことに感謝しなくてはいけない。生きている事に感謝して、やりたい事は何でもやってみたらいい。楽しんでいれば、周囲の人が助けてくれる」

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夢中になれるお手伝い

企業の人材育成に関わるようになって心がけていることは、受講者が夢中になれる場を提供することです。構造的に受講者が自然と楽しめるような研修設計するよう意識しています。楽しむことがそのまま成長に繋がるからです。制約条件があるので難しいのですが、参加者が夢中になれる環境をデザインして、受講者同士が何かアウトプットを作ったり、他者と語り合ったりする中で、刺激を受けて発見していくような学びが私の理想です。