クマ坊の日記

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【人材育成】風姿花伝の名言集

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ここ2回、世界最古の演劇論であり、芸能の書である風姿花伝について見てきました。今回は風姿花伝に記載されている名言を紹介していきますね。

 

 

上手は下手の手本、下手は上手の手本

これは、上手な役者は未熟な役者の手本であり、未熟な役者は上手な役者の手本である。と言う意味です。世阿弥は未熟な役者が学ぶのは当たり前だが、一流の人も未熟の人から学ばなければならないとしています。

未熟な人から学ぶ?は少しピンと来ないかもしれませんね。世阿弥は下手な役者の中にも、キラリと輝く魅力を発見することもあるといいます。だから、良いものは貪欲に学ぶべきだと考えていました。また、人の悪いところを見ることも勉強にもなるとも考えていました。反面教師の考えですね。

 

ただ、花は、人の心にめづらしきが花なり

風姿花伝は演技での感動を花に例え、どのように花を咲かせるかについての秘伝が記述された本です。花が一大テーマなわけです。世阿弥は花とは、「観客が新鮮だと考えられるもの」と定義しています。だから、絶えず新鮮さ、言い換えればイノベーションを起こし続けないといけないし、だから芸の修行に終わりはないとしています。革新的であるからこそ、伝統が守られてきたんでしょうね。

 

秘すれば花なり。秘せずば花なるべからず

風姿花伝で最も有名なくだりです。ぱっと見、「見えそで見えない」がいいよとも捉えてしまいますが、それは間違った解釈です。世阿弥は観客に期待を抱かせて今か今かと待ち望んでいたら、実際、その演技を見せてもさほど感動は起こらない言います。むしろ、観客には意識させずに、ただもう素直に「面白いな」と思わせたほうが役者冥利につきると言います。

ただし、そのためには前提があると言います。役者が観客から信頼されていること。そのような前提があってこそ、観客な期待を越えた時にサプライズになると言います。

 

家、家にあらず。継ぐをもて家とす。人、人にあらず、知るをもて人とす

家の道が続いていくのは、血筋だけの繋がりによるものではない。その道を伝えてこそ家と言えるのである。この言葉は、能の伝承について書かれています。例え血が繋がっていても、継器のないものには芸を継承しないとしています。後継者の育成はどんな企業でも悩ましい問題です。実は世阿弥自身も後継者問題に関しては苦労しています。こんなに立派なことを書き残していてもです。つくづく人間は複雑な生き物だと感じてしまいます。

風姿花伝には今回紹介した言葉以外にも、為になる事が多く記事されています。たまには古典を紐解いてみるのもおすすめです。

 

 

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