この所、またコロナ感染者が増えていますね。全日空の4月-6月期の赤字が1000億を越えたというニュースがありました。多くの企業は財務面でも苦労しています。管理職になると、財務諸表に関する研修を実施する企業があります。管理職なので、「財務諸表ぐらい読めるようになって欲しい」「コスト感覚を養いたい」というのが企画側の発想です。でも、多くの管理職は現場で財務諸表を見る機会は少なかったりします。今日はwithコロナ時代に管理職が理解すべき数字の見方について考えてみたいと思います。
現場活動が光なら、数字は影
日々の現場での活動が光と例えるなら、数字は影です。前年、全月の活動結果を表したものです。大切なのは影をいくら見ても、明日からの活動のヒントは見出せないということです。影同士を比べてみて初めて、「自分の影は大きいな、小さいな」を認識するわけです。比べるものは、前年対比だったり、ライバル会社だったりします。異業種の影も頻度は別として、見といた方がいいでしょう。ビジネスブレークする際の参考になるのは異業種だったりするからです。そして比べるには、物差しが必要です。その物差しにあたるのが財務三表です。
財務三表
3つの説明について勉強したい方はgoogleってみてください。今日はこれらについて苦手な方向けにザックリ説明します。P/Lは1年間にどれだけ儲かっかを示すもの。B/Sはそうやって儲けたものをどのような形で保有しているかを示すもの。CF は今どれだけの現金を持っているかを示すものです。どれも大事なのですが、最も大切なのはCF キャッシュフロー計算書です。特にwithコロナの時代においては実際に手元で動かせるキャッシュをどれだけ持っているかが重要だからです。会計上は黒字でも、手元のキャッシュがないと倒産してしまいますから。管理職はまず財務の物差しが3つあること。それぞれ何を見ているものかを理解しときましょう。
財務会計と管理会計
会計には2種類あります。正確には3種類ですが、企業に勤める管理職が理解しておくべきは2種類です。財務会計は外向け。管理会計は中向けです。財務会計は株主、銀行、投資家、取引先にとって財務状況を説明するためのものです。会計は英語でaccountingですが、その語源はaccount for の説明するです。命の次に大事なお金を投資したり貸したりするわけですから、誰もが納得できる説明が必要なわけです。
一方、管理会計は自社のお金の流れを把握する事で、より良い経営を行うためのものです。原価管理や損益計算、予算・予実管理など。今、どうなってるの?を理解する事で次のアクションに繋げます。管理職はこの管理会計で毎日、一喜一憂しているのではないでしょうか。ただ、冒頭に紹介したように数字はある一定期間の影に過ぎません。大切なのは影を比較する事でリアルな世界で何が良かったのか?何が悪かったかを考え、次の一手を意思決定することです。
損益分岐点分析
意思決定をする際に、管理職が理解しておくと役立つのは損益分岐点分析です。どのビジネスも基本的な収益モデルは、売上から費用を差し引いたものです。そして、売上=単価✖️数量で、費用は変動費と固定費に分かれます。変動費は数量と共に変わる費用です。原材料費や販管費ですね。損益分岐点は、売上と費用の金額が一致する点であり、利益がゼロになる点です。損益分岐点分析の目的は、何をどの程度変えれば損益分岐点に達するかを理解することです。これを把握しておくと、売上を上げる施策に注力するのか、コストダウンに舵を切るのか等の意思決定する際の手助けになります。