クマ坊の日記

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【マネジメント】指示がない世界で、自分の考えを伝える

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職場の1メンバーだった時と、管理職の違いに明確な指示のあるなしがあります。管理職には明確な指示がありません。抽象度の高い言葉と、目標数字。初めて管理職になった方が戸惑う現象の一つです。今日はこのことについて考えてみたいと思います。

管理職とメンバーの違い

管理職とメンバーの仕事の最大の違いは、一言で申し上げれば「自分の考えを、メンバーを通して、実現すること」です。ここでまず大事になるのが、「自分の考え」になります。冒頭申し上げたように、管理職に降ってくるのは「抽象度の高い方針」と「目標数字」のみです。スキームも方法も支持されません。そんな状況で上から降ってきた方針や数字を上から下へ、右から左へ流してしまっては、メンバーが困惑します。会社の方針だからとか、社長が言っているからとか言われてもメンバーには1ミリも刺さりません。「何のために」を管理職が自分の言葉で伝えないと、メンバーは納得できません。

希望を語る

では、管理職は上から降ってきた方針を自分の言葉に翻訳するのにどうしたら良いのでしょうか?意識すべきは、メンバーに希望を語ることです。

  1. 取り巻く環境を正直に伝え
  2. 短期、中期、長期で何を我々は達成したいのか?
  3. この考えで仕事に取り組むことが、個人と組織にとって、どんなポジティブな世界に繋がるのか

以上3点を楽しく分かりやすく、繰り返しメンバーに伝えることです。その為にも、管理職は「何を成し遂げたいか」自問自答しなくてはいけません。話し手の真剣な想いがあるからこそ、メンバーに伝わるからです。

 

正直に伝える

まず最初に伝えるべきは、私たちを取り巻く社内外の環境について正直に伝えることがです。口が裂けても「今年の目標、対前年10%アップです」というように、上からのメッセージをそのまま伝えてはいけません。毎年毎年、目標だけ告げられてもメンバーは疲弊するだけです。前年の活動を振り返り、出来たことは褒め称え、メンバーの頑張りを労うことです。その上で、今後のマーケットや顧客、競合の変化に対する見立てに関してめも正直に話すことです。そのような話をするためには、マーケットや顧客に対するビジネス観を日頃から養わなければなりません。上位方針が決められた背景等まで理解できているかも問われます。何よりも正直に考えを伝えることです。市場や顧客の見立てに、希望的観測や絵空事があってはいけません。現場のメンバーは、詭弁や歪曲はすぐに見抜かれます。

大枠を語りつつも、メンバーを巻き込んで考える

取り巻く環境を正直に伝えたら、次はどのような「打ち手」で達成するのかを伝えなくてはいけません。ここで大切なのは、メンバーを巻き込むことです。最初の打ち手の仮説は当然、管理職自身が考えなくてはいけません。しかし、あくまで仮説です。仮説をベースにメンバーと対話することです。1人で考えることには限界があります。現場には様々な知恵が眠っていたりします。メンバーとの対話を通して、仮説の精度を高めていきます。ただ忘れてはいけないのは、最後に何をやるかを決めるのは管理職だという点です。対話だけさせて、何も決められないと、逆にメンバーの不安や不満は高めるだけです。

ポジティブな未来に繋げる

最後に大切なのは、これらの打ち手が達成したあかつきには、顧客やメンバーや組織にとってどんな未来が描けるかまで伝えることです。顧客にとってどんなお役立ちに繋がるのか?仕事を通して、個人のキャリアにどんなプラスがあるのか、結果として組織に対してもどんなインパクトがあるのか。預言者ではないので語った通りになるかは?ですが、いつも私は、「私の妄想」として伝えるようにします。私たち未来ぐらい明るく語らないと、士気もあがりませんから。

 

繰り返し伝える

そして管理職は自分の考えを繰り返し伝えることです。管理職がメンバーに一度伝えるだけでは、自分の考えを伝えたことにはなりません。管理職とメンバーの違いは、「自分の考えを、メンバーを通して、実現すること」だからです。メンバーの行動が変わらなければ実現は不可能です。行動を変えてもらうには、メンバーが管理職の考えに「腹落ち」している状態でなくてはなりません。だから、繰り返し、手を変え品を変え伝え続けなくてはいけないのです。