娘は繊細さん
娘は小学2年生の秋から不登校です。最初は不登校には何か原因があるのではないかと考えました。勉強についていけない?お友達とトラブル?先生とうまくいかない?集団生活が苦手?しかし、今は全てが原因でもあり、原因でもないと考えています。そもそも原因探しが自体が意味がないことであることもわかりました。娘の個性ですから。娘の特徴を考えていたときに、ピンときたキーワードがHSCでした。「Highly Senstive Child」の略称で、「とても敏感・繊細であり、豊かな感受性を持った気質の子供」という意味です。人よりも刺激に反応しやすい脳の神経システムを有しているとのことです。5人に1人の割合でいるそうです。結構多いですよね。
外の刺激、内の刺激ともに敏感です。娘は他人の感情を察しすぎて、集団の中にいるだけで疲れてしまうことがあります。また、不安がどんどん胸の中で増幅してしまうこともあります。
振り返ってみると、私自身も昔から人の感情に敏感な部分がありました。遺伝的な面もあるんだろうなと考えています。身体的特徴以上に、気質とか性格や脳の構造は遺伝の影響が大きいということも聞いたことがありますし。
HSCという言葉があるのは知ったのですが、敏感すぎる子供って呼び名の語感は正直嫌いでした。またHSCの特徴が書いてある本は多かったのですが、具体的に本人がどのように対処したらいいかについて書かれている本がなかなかありませんでした。そんな問題意識を持っている時に出会ったのが、「繊細さんの本」です。
「繊細さん」の本
著者は武田友紀さん。ご本人自身も繊細さん(HSP)であり、繊細さんの専門カウンセラーでもあります。この「繊細さん」というネーミングは秀逸だと感じました。武田さんも著書でこのように書かれていました。
私はこの呼び方に、大きな意味があると思っています。自分自身もHSPである私にとって、「敏感すぎる人」と呼ばれることは正直なところ気持ちのいいものではありませんでした。自分の繊細さを克服すべき課題ととらえるのではなく、いいものとしてとらえる。そこが出発点です 。 「繊細さん」の本より抜粋
この本が素晴らしいのは、具体的な対処方法が様々に記載されている点です。大人向けなのですが、子供でも参考になることがたくさんあります。
コロナ禍と不登校
コロナ禍は早く落ち着いて欲しいですが、不謹慎なのは承知でこの状況で一つだけ感謝しているのは、娘の精神的負担が緩和されていることです。娘にはコロナ禍になる前も、学校に行くことは強要していません。好きにしたらいいと伝えてあります。でも、周囲の友達は学校に行けているのに、自分だけ行けてないことに娘自身も辛いと感じているように見えます。だから、コロナ禍で全員行けていないことは、娘の精神衛生上は良かったようにも思います。まあ、仮初めの気休めに過ぎませんが。
妻と私は娘が登校できるようになって欲しいと考えています。娘にもそのことは伝えています。でも同時に、無理強いはしないことも決めています。最終的には学校に行くことが目的ではなく、娘が幸せに育ってくれることです。そのためには、娘が自分らしく、社会と折り合いをつけて幸せに生きる術を身につけることだと考えています。偉そうなこと言っていますが、毎日、試行錯誤の繰り返しです。上手くいかなくてストレスが溜まることもあります。でも、そんな日々も含めて幸せだとも思います。家族で真剣に向き合う時間を共有できるのは、やはり幸せなのだと思います。