大人になることのむずかしさ (岩波現代文庫〈子どもとファンタジー〉コレクション 5)
- 作者: 河合隼雄,河合俊雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/02/15
- メディア: 文庫
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今日は本のご紹介です。著書は臨床心理学者の河合隼雄さん。この本で河合さんは「古代社会」と「近代社会」を対比させながら、大人になることの難しさを論じています。
古代社会の特徴
古代社会では、変化が少なく時間もゆっくり流れていました。そのため、世界は固定的でした。「出来上がった社会」に子供は生まれ、やがて子供から大人に成長していきます。そして一旦、大人になれば、「出来上がった社会」ではずっと大人でいられました。
近代社会の特徴
近代社会は古代社会と違って、「社会」は変化します。技術も知識も情報も進歩します。このような変化する社会では、大人になっても技術や知識や情報が後に生まれた世代に逆転されてしまうことが多々あります。私の娘は3歳の時に見様見真似でスマホの操作法を学んでしまいました💦 私がスマホを持つようになったのは30代です。後数年もすれば娘の方がテクノロジーを使うようになっていると思います。
つまり、大人は何もしなければ、次世代の子供より劣る存在になってしまうということです。
大人でいるためには、学び続けなければいけない
変化が激しい私達の時代で、大人であり続けるためには学び続けるしかないんです。変化を楽しみ新しい事に興味を持ち学び続けることです。
学びというと学校の勉強をイメージしますかね?私が言う学びとはもっと広義な事を指します。会社で定年を迎えても、新たな職場で働き続けられたり、全く違う仕事を始められたり、新しいコミュニティに加わることも含みます。
ひと財産作って悠々自適なんて羨ましい人を除くと、生きていくためには学び続けることは避けて通れないように、この本を読みながら感じました。