前回、マーケティングのSWOT分析についてざっくりと解説してみました。結論はSWOT分析しても何も分析できないよというお話でした。しかし、世界は広い。外部環境分析を解り易く、単純化して説明してしまった人がいます。マイケル・ポーター先生です。今日はポーター先生の代表的な理論をザックリ解説してみたいて思います。
目次
マイケル・ポーター先生
今なお現役です。精力的に執筆活動を続けています。ポーター先生は、マーケティング界のチャンピオンです。企業活動に大きな影響を与えました。ポーター先生が一躍脚光を浴びたのは1980に出版した「競争の戦略」でした。
このヒットでポーター先生は30代でハーバードビジネススクールの教授まで駆け上がります。この本の中で語られた3つの理論がビジネス界で大当りします。
- 作者: M.E.ポーター,土岐坤,服部照夫,中辻万治
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 1995/03/16
- メディア: 単行本
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ビジネスは立地が全てだ!
ポーター先生は乱暴に申し上げると、「ビジネスは儲けられる市場を選んで、競合に対して儲かるポジションを取らないと、どんなに努力しても、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄‼️」と喝破しました。どこにポジションを取るか、つまり立地が全てということです。
儲けられる市場か分析する方法
ビジネスの対象が儲けられるかどうかを分析するツールとしてポーター先生が生み出したのが「Five Forceフレームワーク」です。業界構造を5つの視点から分析するものです。
- 既存の競合他社
- 買い手
- 供給者
- 新規参入者
- 代替品
この5つの力の中で最も強い力が、業界構造を決めるというものです。
戦略の三類型
ポーター先生は儲かる市場にいても、儲かるポジションを取らなくてはビジネスは成功しないと主張しました。そして、儲かるポジションは3つしかない!とこれまた単純明解に喝破します。
- 集中化戦略
- コストリーダーシップ
- 差別化
狭いマーケットで戦うなら集中化。いわゆるニッチを狙うしかない。大きなマーケットを狙うなら低コストで戦うか、徹底的に差別化して高付加価値の高さで戦う。今、世の中の企業を思い浮かべるとこの三類型のいずれかに当てはまりませんか?
でも、ビジネスはそんなに単純ではなかった
ポーター先生の理論をマーケティングの世界では「ポジショニング学派」と呼ばれています。前述した2つのフレームワークだけでも儲かるビジネスを語れてしまえるような錯覚に陥ります。それだけ解り易くパワフルな理論なんですね。
でも、実際のビジネスはそんなに単純ではありません。ポーター先生の理論を覆してきたのがかつての日本企業でした。ホンダやキャノンの成功が新たなマーケティング理論を生み出します。この続きはまた後日語りたいと思います。