クマ坊の日記

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【マネジメント】KPIの呪縛

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企業は生産性、効率性を求められます。マネジメントを進める際について回るのがKPIです。しかし、このKPIが日本企業がイノベーションを起こす際の呪縛にもなっているようにも見えます。今日はKPI について考えます。

KPIとは

Key performance indicatorの略称になります。日本語に訳せば、重要業績指標です。目標達成のプロセスにおける先行指標です。例えば営業の売上目標を達成するためには、そのプロセスにおいて提案や商談が必ず発生します。突然、売上が湧いてでてくることはありませんから。売上を作る為には、提案や商談という行動が必要になります。この提案数や商談数をKPIと設定することで、具体的なマネジメントが可能になります。提案数を伸ばすための活動を分析することで、自分達でコントロールできる活動に落とし込めます。また、KPIは先行指標ですから、これぐらいの提案数、商談数が作れれば、これぐらいの売上になるはずと予測も立てやすいです。かくしてどの職場でもついて回るのがKPIになります。

 

顧客が見えなくなる

KPIは管理する側にとっては重宝する指標です。メンバーにとっても、目標が明確になり動きやすくなります。ただKPIの怖さもあります。それはKPI自体が仕事の目的になってしまうことです。KPIの数値目標だけでビジネスが語られてしまうことがあります。でも大事なのは、顧客を創造すること。顧客に価値を提供することです。そのためには、どんな顧客の、どんなお悩み事に対して、どんな価値提供が喜ばれるかを注意深く観察し続けなければなりません。そんな事は当たり前ですが、KPIを意識するがあまり顧客が見えなくなる事は普通に起こります。だってビジネスは、マネジメントは効率性、生産性が求められるから。KPIだけしか見えない視野狭窄に陥りがちです。特に企業規模が大きくなればなるほど、その傾向は高いです。顧客の数も多いから、一人ひとりまで把握するのが大変という理由もあります。

 

利益率が減る

KPIだけを見て施策を打とうとすると、全方位的な施策を打ちがちです。顧客が見えないし、顧客の変化も分からないからそうなりますよね。リソース突っ込むので、財務的には売上は上がるけど、利益率は落ちがちになります。それを繰り返すうちに、完全に顧客を見失います。

KPIはマネジメントする上では重要です。しかし、KPIだけ見てしまうと大事な顧客を見失います。顧客をちゃんと見て、数字だけではなく顧客について検討する機会を確保するのが大事だと思います。特に現場から離れたポジションにいる人ほど。