クマ坊の日記

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【マネジメント】顧客を見失うな!

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ドラッカーは企業の目的は一つしかないと喝破しました。それは、「顧客を創造すること」です。当たり前の話でどの企業も理解していますが、どうしたことか、企業規模が大きくなるにつれてこれが難しくなります。今日は顧客とマネジメントについて考えます。

グレイナーの企業成長モデル

企業の成長モデル理論に、ラリー・E・グレイナー博士の5段階成長モデルがあります。もの凄く乱暴に解説すると、「企業規模によって、成長を阻む課題があるよ」という主張です。どんな企業も、たった1人の起業家からスタートします。その起業家か役に立ちたい!どうにかしたい!と願いから、製品やサービスが誕生します。同じような問題を抱えている人々がいれば、ビジネスとして成長していくことになります。社員数が50名ぐらいまでであれば、勢いで突き進めます。50名を越えてくると、創業者だけで全てを担当するのは難しくなります。分業が必要になり、中間管理職が誕生します。私の専門であるマネジメントというやつです。しかし、100名ぐらいまでであれば、また社長が目を光らせることが可能です。強力なリーダーシップを発揮できれば、組織を統率することが可能です。自分達の顧客を見失うこともありません。

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権限委譲から難易度が急激に上がる

問題は100名を超えた時です。部下ぎ100名を越えると、指揮命令だけでは組織は回せません。部下への権限委譲が必要になります。トップの分身である管理職が、方針や戦略に沿って仕事を進めていくことになります。生産性は高まりますが、社長の立場からすると一つ困った事象が発生します。それは現場で何が起こっているか分からなくなります。霞がかかっている頂上から、下界を眺めるようなものです。顧客の姿は完全に見失います。見失わないように物差しを設定します。でも、すでにそれは顧客を把握するものではなく、顧客の陰に過ぎない数字を追いかけているに過ぎません。売上、シェア、数量。影を見ながら、どんな顧客なのかを推測するのは滑稽にも見えます。やがて、様々なKPIが良かれと考えて誕生します。そして、KPIを達成するのが目的化した仕事が展開されます。こうして顧客不在のビジネスが周り続けるという事態に陥ります。

顧客を見失うな!

大企業では構造的に上記のような事象が発生します。管理職はその事を強く意識しなくてはなりません。部門長が現場を理解するために、現場社員との座談会を開催しますが、それでは弱いです。実際の顧客に会って話を聞いたり、観察したりとかすることが大切です。