クマ坊の日記

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【マネジメント】ブリコラージュ仕事術

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リソースが潤沢な管理職に私は出会ったことがありません。私自身も現役の管理職でもありますが、リソース不足で苦労しています。そんな管理職が身につけておくと重宝するのがブリコラージュな仕事術です。ネーミングは私の造語です。

ブリコラージュとは

ブリコラージュとは「寄せ集めで自分で作る」「ものを自分で修繕する」という意味です。語源の由来はフランス語のbricolerになります。繕う、誤魔化すなんて意味になります。料理に例えると素材から吟味して、調理方法や調理器具も整えて最高の一皿を作るのではなく、冷蔵庫にある余りもので、チャチャと美味しい料理を作るのがブリコラージュです。マネジメントも同じで自分を取り巻く環境をいかに上手く使いこなせるかが重要になります。もちろん新たなリソースを獲得する努力も必要ですが、大抵の場合、急場をどのように凌ぐかというケースが多いかもしれません。

 

リソースが足らないのは当たり前

安定した時代だと、逆にリソースが足りないのは管理職の段取り不足と言われました。だだ、今は変化が激しすぎます。コロナによるパンデミックなど想像できませんでしたし、在宅勤務がこんなに当たり前になるとは夢にも思いませんでした。そんな状況下でも仕事は続きます。こんな時代においては余計に現在ある手持ちのリソースでマネジメントをやりくりする力が求められているように思います。

 

地方勤務で鍛えられた

私自身で言えば、地方勤務でのマネジメント経験がブリコラージュな仕事術を磨く上で役に立ちました。我が社は東京本社に比べて支社のリソースは圧倒的少ないのが普通でした。リソースは少ないけど、担当者エリアは広いわけです。「これがないとできません」「人が足りません」「予算がたりません」と言っていると何も始まらないわけです。与えられた予算とスタッフを使って限られた時間内に成果を出すためにはどうしたらいいかを考える癖がつきました。当初はブリコラージュなんて言葉は知りませんでしたし、1日1日をなんとか必死にやりくりしてきただけなのですが、マネジメント経験を振り返ってみると、やってきたきことはブリコラージュそのものだったと思います。

固定観念を疑う

どうしてブリコラージュ的な仕事の仕方ができたかというと、若手時代に指導してもらった先輩コンサルタント(師匠)の影響が大きかったです。「思考を停止するな」と耳タコになるほど叩き込まれました。鍛えられたのは、2パターンの思考です。ロジカルとアナロジーです。特にアナロジー。ロジカルはコンサルタントであれば誰でも鍛えられますが、アナロジーは珍しかったかもしれません。アナロジーは類推する力です。全く異なる事象を結びつける思考です。仕事をしていると、会社の方針だったり、社内の常識だったりに囚われることが多いです。それも無自覚に。でも、従来の当たり前をずらしたり、壊したりすると出来ないと考えていたことが突破できる成功体験を積めたのが良かったです。

もちろんデメリットもありました。アナロジーはロジカルではないので、周囲からはとても危なかっしくも見られます。また、アナロジーの成功体験を過信すると危険でもあります。

ブリコラージュ的な仕事をするには、固定観念を疑い、アナロジーとロジカルの両方を使いこなすことが求められます。