クマ坊の日記

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【ビジネススキル】戦略も組織も最後に決めるのは人!

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6月は株主総会の真っ只中です。各社、新たな中期経営計画を発表しています。コロナに続いてウクライナでの戦争、急激な円安など外部環境は目まぐるしく変化しています。今日は企業の戦略について考えてみたいと思います。

VUCAの時代なんてない

将来の予測が困難な時代なため、よくVUCAの時代なんて言葉が使われます。Volatility (変動性)Uncertainty (不確実性)Complexity (複雑性)Ambiguity (曖昧性)の頭文字をとってVUCAの時代と呼ばれています。もっともらしいのですが、個人的にはいつの時代もVUCAだろうと思います。変化の程度こそあれ、一寸先は闇なわけです。戦後の焼け野原なんかVUCAの際たるものだったと思います。そんな先行き不透明を生き抜くために企業は戦略や計画を立案します。しかし、悩ましいのは素晴らしい戦略を描いてもその通りにはいかないことの方がほとんどです。

 

アンゾフ先生とチャンドラー先生

組織と戦略の関係性について、初めて言及したのはイゴール・アンゾフ先生です。もっというと、ビジネスの世界に「戦略」という軍事用語を持ち込んだのもアンゾフ先生です。戦略的経営の父とも呼ばれています。アンゾフ先生は数学と物理の博士号を取得した後に、陸軍のランド研究所で働いていました。そんな背景もあったと思います。その後、民間のロッキード社に転職して、赤字部門を立て直す業績を上げられます。その後、カーネギー大学の教授に転身して、企業戦略論を発表していきます。優れた学者ですが、実務の叩き上げでもあります。そんな、アンゾフ先生は多くの企業経営に関する知見を残しました。アンゾフ先生は、企業は外部環境の乱気流の度合いに合わせて、企業の戦略や組織は同じレベルで変わらなければならないと主張します。両方変えていかなくてはいけないよぐらいで主張しました。また同時期に活躍したアルフレッド・チャンドラー先生も「組織は戦略に従う」という本を出版しました。しかし、元々のタイトルは「戦略と組織」です。この本は当時のトップ企業であるGMやデュポン社を取材、研究によって書かれました。事業部制について書かれたものでした。組織は戦略に従うというキャッチフレーズの方が本が売れるという理由でこちらのフレーズが有名になりました。アンゾフ先生もチャンドラー先生も戦略と組織は相互に作用するというのが、本来は説明したかった訳です。

 

最後は責任者が決める

企業の戦略と組織は相互に作用します。機会やリソースが無尽蔵であれば楽なのですが、そんな企業は見たことありません。色々と検討しながら意思決定しなくてはいけません。戦略も組織も最後は経営者の意思決定が決めることです。その意思決定は、現場の助けにもなるし、逆に足枷にもなりうります。正解はないのですが、意思決定をする責任者の胆力が問われるのはいつの時代も同じだと思います。