私の生業は企業の人材育成の支援です。イメージしやすいのは、新入社員研修や管理職研修です。研修は様々な内容で構成されます。講義、ワークショップ、ケーススタディ、ロールプレイング。それぞれの演習に入る前に講師は指示を出しますが、実はこの指示だしでプロとアマチュアの差が出たりします。今日は指示出しスキルについて考えてみます。
演習内容は理解できないのが普通
研修では受講者が参画する演習がしばしばあります。ここでの注意点は、受講者は一度話を聞いたぐらいでは演習内容を理解できないのが普通ということです。ですから、講師は分かりやすい説明ができるかどうかがポイントになります。演習の説明でモタモタしてると、肝心の演習時間が短くなります。また、受講者の集中力もモチベーションもだだ下がりになります。
指示だしのコツ
- 結論を先に言う
- 短い文に区切る
- 丁寧な口調で話す
- 笑顔
プレゼンテーション、報告でも一緒ですが結論を先に伝えます。最終的なアウトプットは何かを最初に短く伝えます。その後に具体的な内容を伝えます。具体的な内容を伝えるときも、一文は短くです。例えば下記のようです。
「これから学生と社会人の違いについて考えてもらいます。まずは、5分間で個人で考えてください。手元のノートに学生と社会人の違いを列挙してください。5分たったらアラームを鳴らします。アラーム後はグループで書いた内容を共有してください。ホワイトボートを使って結論をまとめてください。グループでの検討時間は20分です。最後に各グループに5分で検討結果を発表していただきます。」
説明は丁寧な言葉を使います。命令口調で説明されると参加者の立場だと嫌ですから。
最後は、笑顔で言い切ります。笑顔であるかどうかで印象は変わります。また、語尾が曖昧だと混乱を生じますので、言い切ることも大切です。