安倍首相が施政方針演説で、働き方改革、人づくり革命、生産性革命を掲げました。政治家は改革や革命という文字がなんて好きなんだろうと思いながら新聞を眺めていました。今回は近い未来の企業での働き方について思いを巡らせてみたいと思います。
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働き方改革には未来が必要
ワークライフバランスとか残業問題とか同一労働同一賃金なんてキーワードがあがっています。働き方改革の議論を聞いていても自分の生活や社会が良くなるのか、逆に苦しくなるのかのイメージがわきません。手段系の話が多い印象なんですよね。ワークライフバランス等の働き方改革=成長戦略と安倍さんは話していましたが、そんな単純なわけない。改革とか革命とか掲げるならもっとワクワクした未来の話が聞きたいです。そもそも、革命とか革命という言葉を選択したスピーチーライターはセンスがないなとも感じました。
ワークライフバランスって響きはいいけど、ビジネスパーソンとしては辛い面も出てくると思います。経営者の立場からすれば、これだけワークライフバランスを考慮した労働環境を提供しているのだから成果はしっかり出してよって話でしょうし。ワークライフバランスは大切ですが、より成果へのコミットメントが求められる時代になるのだということも覚悟しなくてはいけないんでしょうね。
同一労働同一賃金
これは日本企業の人事部にとって大きな影響を与えるキーワードです。今までの日本企業は「人」を管理していました。新卒で会社に入社して、いろいろな部門での配属を経験しながら昇進し給料も上がっていく。「人」に賃金を紐づけることでライフステージにあわせた賃金水準を設定することができていました。しかし、この人に紐づけることで当然不具合もでてきます。例えば「働かないオジさんの給料が高い問題」。でもオジさんは若いときには安い給料で頑張っていたんですね。その分を今もらう賃金制度にのっかていただけでもあります。また、「正社員と非正社員で同じ仕事しているのに、給与がこんなに差があるのおかしくない問題」もあります。
そこで、それらの問題を解決する施策として「仕事」に賃金を紐づける職務給を政府は推進したいと考えています。仕事に値段がつくので、同じ仕事をしていれば基本同じ給料になります。もっとも欧米の職務給も幅を持たせているのが普通なので、同じ仕事でも実際は緩やかなゾーンで区分されることになると思いますが。。。
職務給に移行すると、例えば営業部長と総務部長の給料が違うこともでてきます。クマ坊営業部長が100万の給与を貰っていても、総務部長に異動になったら給料が80万になったりすることもでてきます。従来の人に賃金が紐付いている場合は、クマ坊部長の給与は100万だから、営業部長でも総務部長でも賃金が変わるなんてことはありません。
まあ、給与制度なんて原資の配分方法に過ぎないので、どんな賃金制度にもメリット、デメリットがあるので完璧な制度はありません。大切なのは企業がどんな商売をしてどのように儲けるかの絵図が描けているかどうか。そしてその絵図を実現するためには、どんな人材にどんな風に活躍してもらうかを考えているかどうかが最も大切になります。
人が集まる会社、集まらない会社
人材不足がますます深刻になるなか、人材を引き寄せる会社とそうでない会社の格差はますます広がると思います。昔は、経営資源のなかで最も大切なのはお金でした。しかし、今や資金調達のルートは多岐に渡ります。すると一番、貴重な経営資源は人になるでしょうし、実際、優秀な人材にお金は引き寄せられています。
働く側も選ばれる
当然、働く側も選別される時代になると思います。 優秀な人材はよりチャンスと富を獲得し、そうでない人は仕事と低賃金に縛られる時代になるでしょう。自分に自己投資して能力開発する人が生き残る世界になると思います。
長期間労働の時代に
働き方改革で長時間労働は今後是正されるかもしれませんが、45歳の私を含めてビジネスパーソンが直面するのは長期間労働になると考えます。生涯現役!ずっと働くことが求められる世界に突入してくるのではないでしょうか。