しばらく休暇先の出来事をお伝えしていましたが、本日から徐々に通常運転に戻していきたいと思います。人材育成やビジネスネタも再開していきます。今日は管理職の成長とプライベートの関係について考えていきたいと思います。
長期休暇の効用
今母、私は勤続20年のご褒美で20日間の連続休暇を頂きかました。本当は休暇の権利自体はもっと以前に取得していたのですが、仕事を優先していたり、コロナがやってきたりで休暇取得が遅れていました。結論から言うともっと早く休んでも良かったかもしれないと思いました。何故なら、長期休暇の効用を改めて実感したからです。休む前は、こんなに長期間休んだら社会復帰できるか不安もありました。しかし、実際休んでみると、心身共にリフレッシュするし、寧ろ仕事へのモチベーションは休暇前より格段に高まっています。脳科学の世界では、旅することにより脳が活性化されることが明らかになっているそうです。日常と違う場所、違う食べ物、違う人々に出会うことで脳がフル活動するそうです。旅の後も、脳の活性化モードは継続するそうです。
キャリア発達の理論から紐解くと
私の専門の人材育成の中に、キャリア開発が含まれます。キャリア開発における古典に、ドナルド・E・スーパー教授が唱えた「ライフ・キャリア・レインボー」という考え方があります。スーパー教授によると、人は人生において「子」「学生」「余暇を楽しむ人」「市民」「労働者」「家庭人」「その他」といった複数の役割を担うと主張しました。そしてその役割は人生の時期によって変化する。また、人が複数の役割を引き受け、それぞれの役割での経験を通じて、人の価値観は発達するという考えを主張しました。その後、ワーク・ライフの研究はとネガティヴな側面に焦点が当たりました。仕事と家庭の役割の狭間で、葛藤が生じ、それがストレスに繋がる。共働きが増え、家事や育児や介護の問題が重くのしかかり、仕事へ悪い影響を与えるという主張です。
ポジティブ・スピルオーバー
ネガティヴな研究が多かったワーク・ライフですが、2000年になると潮目が変わってきます。ワークとライフが互いにポジティブな影響を与える側面にも着目しようという流れです。これを、「ポジティブ・スピルオーバー」といいます。実際、仕事以外の多様な役割を担うことで、スキルや視野が広がるという研究成果が示されるようになりました。私自身の経験を振り返っても、家事や子育てをするようになって、視野は広がったように思います。同じように旅や余暇を通して、仕事観や人生観にも影響を受けた経験も持っています。管理職が担うマネジメントは、正解がありそうでない領域です。スキルや知識を学ぶことは大事ですが、それ以上に大切なのはどんな「観」を管理職が備えているかです。仕事観、人間観、人生観。それらは、仕事経験だけでは養えません。ワークもライフも結局、お互い作用し合いながら発達していくのだと考えます。