私ごとですが、組織の変更に伴い役割が変更になりました。それに伴い一緒に働くメンバーも様変わりしました。メンバーの中には、私の年齢より二回り歳が離れたメンバーも含まれます。今日は歳がだいぶ離れたメンバーの育成について考えます。
頭をリセットする
普段、研修で部下育成に関する研修も担当していますし、これまでも数多くのメンバーも育成してきました。育成に関しては、経験も知見も普通の管理職よりは持っているという自信はありますが。。。メンバーの育成をする時は、一旦、その自信は脇に置くことを大事にしています。これは育成に限らずの事ですが、ある分野に熟達すると、あまり考えることなく問題に対峙してしまうことがあります。多くの場合は、これまでの経験から導き出された考えで進めれば上手くいくのですが、時にはそれが過信にもつながります。特にメンバーは1人の人間です。十人十色ですから、丁寧に謙虚に接しておくことが大切です。
メンバーを知る
まずはメンバーを知ることから始めます。これは歳が近かろうが、離れていようが一緒です。ただただ話を聴くことです。しかし、一つだけ工夫が必要なのは、相手との距離感のとり方になります。歳が離れれば離れるほど、未知との遭遇です。自分の尺度が、相手尺度で開きがあるのは当然の事です。だから最初は自己開示を丁寧に行います。年齢、家族構成、趣味、好きな映画、本、マンガ、これまでのキャリア、自分のアセスメント結果(DiSC診断)、自分の性格、大切にしている価値観、苦手なこと。相手の話を聴く前に、まずは自分の事をお伝えするようにします。簡潔に、でも自分らしさが相手に伝わるように努力します。ただ、相手に同じような自己開示を求めては勿論駄目です。相手にとっては上司ですから、自己開示してくれないのが、当たり前ぐらいの感覚が良いと思います。
面談以上に普段の立ち振る舞い
面談以上に大事なのは、日常の立ち振る舞い。仕事の指示の出し方、表情、仕草、意思決定のスピード、全てメンバーは見ています。3日もあれば、上司がどんな人間かは判断してしまうものです。面談の場を繕ってもメンバーはすぐに見破ってしまいます。
メンバーのキャリア志向性を把握する
一緒に働き、面談を繰り返すことで、管理職はメンバーを理解していきます。メンバーを理解する過程で、早めに聴き出せるといいのは本人のキャリア志向性です。ここのボタンを掛け違えると、いくら育成頑張ってもすれ違いに終わる可能性が高いです。もちろん、現在の仕事とメンバーのキャリア志向性がぴったり一致していることの方が稀です。ただ、相手のキャリア志向性を理解した上で、現在の業務で役に立つような経験はないか?準備してあげられないか?と思いを巡らせることは大切です。そして、その考えをメンバーに伝えることです。自分ね権限でアサインできない仕事であれば、実現できるかどうかは別として、関係者に働きかけ続けることを約束するように、私はしています。
技術や能力に関する育成計画は後でいい
メンバー育成は、従来、業務で成果を上げてもらうための、能力開発やスキル習得に重きを置いていました。乱暴に言えば仕事で成果をあげるための手段として、人を捉えていた面も否めません。しかし、今の時期の若手は自分がこの場所で成長できないと思えば、簡単に転職してしまう時代です。相手を尊重するというのが、管理職の心構えとしては求められます。
もっとも、そこまで丁寧に育成しても、相手があることなので、上手くいかないというのも心に留めて置く必要もあります。