クマ坊の日記

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【人材育成】部下育成にも優先順位がある

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管理職が悩む問題は多岐に渡りますが、いつの時代も悩ましいのがメンバーの育成です。なんといっても人が相手ですから、思い通りにはいきません。一方、マネジメントする上で最大の変数は人でもあります。育成が上手い管理職は、それだけ高い業績達成にも近づきます。今日はメンバーの育成について考えてみたいと思います。

メンバー育成で外せない3要素

育成で外してはいけない3要素があります。

  1. メンバーの理解
  2. 経験
  3. フィードバック

育成と聞くと、褒め方や叱り方など指導の仕方に着目する管理職が多いですが、メンバーを理解することがスタートになります。職場のメンバーを理解した上で、誰を集中的に育成するかを管理職は決めなくてはいけません。職場のメンバー全員を育成するスタンスが大前提ですが、メンバーによって濃淡が生じるのは仕方ありません。何故なら、管理職は多忙だからです。育成以外のミッションも多数抱えています。職場のメンバー全員を等しく育成しようとしたら、体がいくつあっても足りません。

 

育成の優先順位を整理する

育成の優先順位を整理する際におすすめなのは、縦軸にメンバーの伸び代、横軸にメンバー本人の成長意欲で4章限のマトリックスです。伸び代も本人の成長意欲も高いエースさん。伸び代はあるのだけど、成長意欲の低い問題児さん。成長意欲は高いが、伸び代は低い空回りさん。伸び代も成長意欲も低い粛々さん。ざっくり4タイプに分かれます。優先順位が1番なのはエースさんです。しかし、エースさんの育成は難易度も高いです。エースさんが成長できるような仕事をアサインするのがそもそも難しいです。また、管理職自身が優秀でないと、エースさんが腑に落ちるようなフィードバックもできません。実際の職場では、エースさんは優秀なので、育成の対象にせず、権限委譲という名の放任状態になっている場合もあります。その状況が長く続くと、ある日突然、辞めていったりします。優先順位が2番目は問題児さんです。能力の伸び代はあるように見えるが、本人の成長意欲が低い人です。なかなか育成は難儀しますが、変わったら大化けしてくれます。さしづめジョーカーといった所でしょうか。この問題児さんの育成で大事なのは、期待値を伝え続けることです。仕事の意義を伝え、期待を伝え、それが本人のキャリアにどんな影響を与えるのか。伝え続けるしかありません。意欲が低いからと言って、駄目出しばかりするのは逆効果です。優先順位が3番目は、成長意欲は高いが伸び代的には低い空回りさんです。上司としては、意欲が高いので応援しがいもあります。しかし、空回りさんの成長には時間が必要だということを理解しなければなりません。さもないと、「こんなに育成に時間を割いているのに、呑み込みが遅いんだ?!」なんて上司もストレスを溜め込んでしまいます。それを回避するには、空回りさんの力量を観察しつつ、能力を少し上回る仕事をアサインし、少しの成長変化を承認してあげることです。空回りさん自身は、自分はもっと出来るという自負があるので、もっとストレッチした経験の仕事を望むかもしれませんが、基礎の大切さを説得しながら導いていくことが大切です。最後に、成長意欲も伸び代も低い粛々さんです。粛々さんには、粛々と仕事が出来るよう、日々の声がけすることです。育成より、粛々さんのモチベーション維持の方に注力すべきです。粛々さんを上司が変えようとすると、お互い不幸になるように思います。