クマ坊の日記

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【社会】医師の働き方改革

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通常業務とは別に、新規事業開発で社外課題に取り組んでいます。前回は「子供の貧困」に関わるサービスを開発しました。今回はもう一つ私が携わっている社会課題「医師の働き方改革」についてお話します。

1人の医師との出合いからビジネスがスタートした

時を戻すと4年前に遡ります。まだコロナが蔓延する前のお話です。厚生労働省が医師の働き方改革をぶち上げました。ここでいう医師とは主に勤務医を指します。緊急外来や外科などで働く医師の残業は年間2000時間はざらだそうです。当然、医師も人間です。ストレスフルな環境で働き続ければ、当然本人の健康にも影響を与えます。また、そんな先輩医師の姿を見て、勤務医になろと考える若者も減っているそうです。特に僻地の中核病院は深刻で、研修医もなかなか集まらない病院もあるそうです。早くから開業医に転身したり、起業する若手も増えているそうです。

そこで厚生労働省も医師の働き方改革に着手してきました。現場からは当然、反対の嵐です。医師個人としては、勤務時間内が減れば嬉しいでしょうが、患者は次から次へとやってきます。自分達が対応しなければ、誰が対応するんだ?誰が命を救うんだという話になります。また、病院経営の立場でも、夜間の緊急対応は1番、収入が高い手術になるので縮小は難しい判断になります。そんな状況を偶然巡り合った医師からお話を伺いました。私の立場で何が出来ることはないだろうか?そんな想いが今回のビジネスを検討するきっかけでした。

医師の働き方改革とは

2024年4月から労働時間の上限制限が課されます。医師の時間外労働が年間960時間に制限されます。しかし、一律に960時間と規制されても実態と乖離している現場は多数あります。そこで、都道府県の指定を受けた一部医療機関は上限が緩和されます。緊急対応している病院や研修医が適応の対象です。B水準やC水準と呼ばれています。B水準、C水準では年間1860時間、月100時間までOKとなります。通常、企業で働くビジネスパーソンであれば、月80時間越えると心身に支障をきたすと言われいます。医師は働き過ぎで頭が下がります。

情報弱者

大学病院や大規模病院では、すでに対応の準備がスタートしています。しかし、地域の医療機関になればなるほど無頓着です。うちは緊急医療やっていないからというのが、無頓着の背景なんでしょうが。事はそんな単純な話ではありません。どの病院も宿直は、大学病気から派遣を受けているのが普通です。派遣先がちゃんとB水準の認定を受けていればいいのですが、そうでないと派遣元の大学病院は派遣を躊躇うことになると考えられます。派遣すればするほど、残業時間が増えてしまうからです。派遣するなら、B水準を認められている病院になるのは自明の理です。このような状況を理解している病院は驚くほど少なくのが実際です。

どうやって実現するのか?

医師の働き方改革のポイントは対話と業務移管です。いくら素晴らしい業務改善を外部のコンサルタントが主導しても1ミリも動きません。やはり医療現場は特殊ですから。結局医局員が自分たちのペースで、自分たちのやりたいように、自分たちが主導で進めることが大事になります。しかし、自分達で好きなように話せば解決できるかというとそんな単純な話ではありません。医療機関で働く人は、話し合いの技術を若い時に学ぶ機会はありません。だから、私たちのような外部のプロが話し合いのスキルを指導する意味があります。もう一つ大切なのは、業務移管です。医師は医師しかできないことを、看護士は看護士しかできないことに集中させるような業務分担が必要です。そのためには、コメディカルや事務スタッフの強力が不可欠です。士農工商のような区分けではなく、病院で働くあらゆる人々が手を取り合って改善を進めていくことが大切になります。

医師の働き方わ経営にもプラス

実際、医師の働き方改革を実現すると、病院経営にもプラスになります。まず、退職率が驚くほど減少します。次にどんな僻地の病院であっても、研修医を初めとして若い人材を引きつけることに繋がります。最後に、働き方改革は地域の他の医療機関との連携が深まり、紹介や逆紹介が増えることで、新規の患者が増え、病床利用率も計画的に増やすことにも繋がります。病院経営にもプラスの影響を与えます。医師にも病院にも患者にもいい事づくめの医師の働き方改革なのですが、なかなかそこには投資してくれません。退職した医師や看護士の代わりを採用するために、多額の金額は毎年支払っているのですが。このまま従来の経営スタイルしか維持できない病院はどんどん潰れていくようになると思います。もし潰れる病院が地域の中核病院であったとしたら大変です。その地域の住民が安心して生活できないことになりますから。ひいては地域の過疎化の加速に繋がります。

微力ではありますが、少しでも医療現場に役立つような活動を続けていきます。