クマ坊の日記

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【ビジネススキル】話し合いの技術は山登りで学んだ

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私の生業は企業の人材育成を支援することです。おかげさまで、これまで600社以上の支援してきました。そんな支援を通して、各企業毎に話し合いの文化がかなり違うなと感じます。社員同士が自由闊達に議論する会社もあれば、揚げ足を取られないようにお互いが空気読みまくりの会社もあります。中には、話し合い自体に希望を抱かない、諦めに近い雰囲気を感じる会社もあります。今日は話し合いの技術について考えたいと思います。

話し合いの技術は学校で学んでこない

振り返ってみると、日本人は学生時代に話し合いについて学ぶ機会がありません。学級会とかも多数決で物事が決まってきた印象が強いです。今は、アクティブラーニングという言葉が学校教育で使われているので、以前とさ変わってきているのかもしれませんが。ただ総じて、話し合うことより、空気を読むことの重要視されてきたのが、日本社会だと思います。学校で学ぶ事も、白黒がハッキリしている正解があることばかりです。しかし、世の中には白黒ハッキリしないことの方が多いです。

現在、多くの企業はサステナビリティを志向し、社会課題解決に新たなイノベーションを生み出そうとしています。社会課題なんて白黒ついていない代表のようなものです。そして立場によって見方考え方が大きく異なるものでもあります。ますます、話し合いの質が問われる時代とも言えます。

話し合いの技術は山登りで学んだ

私自身は図らずも、部活動で話し合いの技術を学ぶ事ができました。部活はワンダーフォーゲル部でした。山登りです。私が所属していた時の部員数は100名近く。その人数で日本アルプスを登っていました。1パーティーは6名〜8名で構成されます。パーティー内でも、年齢や性別でだいぶ体力、技術にはバラツキが出るものです。顧問の先生やOBが一緒に登るとはいえ、個々のトラブルはグループ内で話し合いを行なって決めなければなりません。メンバーで体力が落ちたメンバーをどうカバーするのか。例えばメンバーで荷物を分担するとか、予定にない場所で何分休憩を取るとか。メンバーで決めていかねばなりません。そのためには、メンバーが等しく本音で話し合うことが求められます。変に気合いで誤魔化したり、声の大きい人に引っ張られても、結局、歩けなければグループ全体に迷惑をかけます。標高3000メートルで、それをやってしまえば命に関わります。逆に個人の意見を尊重しすぎて、登頂できないのも困ります。時には、苦渋の決断である下山を意思決定しなくてはいけない場面もあるのですが。

登山の経験を振り返ってみると、仲間と本音で話し合うこと、意思決定することの二つセットで行ってきた事が、話し合いの技術を高めるのに有効だったように思います。山の上では保留の意思決定はありません。前進するか撤退するかです。山は逃げませんが、高校3年間でこのメンバーでこのタイミングで登れるのは今だけです。今、ココを大切にしなければならないから、話し合いの技術が自然と高まったのかなと思います。もっともそんな事を分析できるようになったのは社会人になってからずっーと後のことですが。