今週はビジネスモデルについて考えています。今日は私が好きなビジネスモデルのご紹介です。その単純明快さと、昔から使われている普遍性がたまりません。このモデルを考えた人は商売人だなと思います。
替え刃モデル
使い捨てカミソリの販売モデルです。その名の通りジレット社によって1903年に考案されたモデルです。もう100年以上前から続いているんですね。男性ならお分かりのように、安全カミソリを本体と替え刃に分離して、本体を安くして消耗品の替え刃で長期的な利益を獲得します。このモデルの秀逸な点は、人間をよく理解している点です。本体を一度売ってしまえば、習慣的な購買につながります。しかも、消耗品は広告宣伝費がほとんどかからないので、利益率の面でも優れています。
インクジェットプリンター
替え刃モデルで有名なのは、キヤノンのインクジェットプリンター事業です。消耗品のインクが利益の源泉でした。キヤノンの優れていたのはインク以外にも写真用紙や光沢紙など様々な消耗品を自社で製造販売できた点です。
替え刃モデルの成立条件
- 消耗品と本体がセットで価値が成立する
- 消耗品を自社で製造する能力がある
- 宣伝にお金がかけれる
まずは、当たり前ですが本体と消耗品がセットで揃って意味がある商品でなければなりません。そして、消耗品を自社で製造できること。また、廉価版が市場に出回らないように、特許などで自社技術をプロテクトする必要があります。最後に本体が売れないと消耗品も売れませんから、本体の広告宣伝費がかけられたり、流通網を押さえるマーケティング力も問われます。キヤノンは販売会社分けてますよね。
このビジネスモデルのリスクは前述した廉価版が市場に出回り、消耗品が価格競争に陥ることです。もっとも最近は非純正品の品質も上がってきてますからね。後は本体を売る際の広告宣伝費が負担になることですね。
習慣が様変わりすると難しくなる
インクジェットプリンターは年賀状を送る習慣やデジタルカメラで撮影したものを現像するという習慣が、スマホの普及と共に様変わりしたのは大きな影響でした。ビジネスモデルの内容にかかわらず、ある程度、量を獲得することで構築されてきたビジネスモデルです。だから、その前提が崩れるとビジネスが厳しくなるのも仕方ないことです。